懐かしのミャンマーを行く(10)日本企業のミャンマー対応

エマージング・マーケット 東南アジア
懐かしのミャンマーを行く (10) 日本企業のミャンマー対応
懐かしのミャンマーを行く (10) 日本企業のミャンマー対応 全 2 枚 拡大写真

(8)日本企業のミャンマー対応

夜は大学の後輩を紹介されていたので、会いに行く。インヤーレイクの湖畔に立つ瀟洒なレストラン、「オペラ」。ここは元々日本の大手商社の支店長宅だったとも聞く。こんな所へ来てしまってよいのかという雰囲気。中へ入るとキャンデルの火が鮮やかで、シックな感じ。ただ予約は見付からず、一番奥で待つ。約束の時間を過ぎても来ないのでおかしいと思っていると、あちらは別の場所で待っていた。後輩一人だと思っていたが、その上司も一緒だった。

その上司は以前上海勤務の経験があった。昨今のミャンマーブームで急に増員になり、ミャンマーへやって来て1か月。この組織では駐在員は従来後輩Mさん一人だったが、何でも今年3人を増員したとか。そんな急に増員するほど仕事はあるのか。

「毎日数組の日本からの視察を受けている」、今年に入ってからずっとそのような状態だそうだ。しかも日本から来る人々は殆どがミャンマー訪問初めてで、当然日本のマスコミ報道の情報しか持っていない。「聞いてきた話と違う」、ミャンマーの実情を話すと多くの視察者が同じことを言う。あなたは一体何を聞いて、何のために来たのか、と聞きたいぐらいだと言う。

日本企業はおかしいのでは、とある欧米企業社員に言われたことがある。その国に進出する場合、普通はその地に精通している人を雇い、現地事情を十分把握し、事業の可否を見極めるのだが、日本では「その国に始めて来るような人に調査をやらせる」「有り得ない」という。その通りだろう。あれだけ中国リスクを語る人々がいて、素人がミャンマー調査をして、事業企画を練る、あり得ない話だ。

オペラ、でスパゲッティを食べ、ピザを頬張りながら、そんな話をした。日本の不思議さ、は今や世界の常識だろう。日本が出てきたら、マーケットはピークアウト、だから日本のエアラインが直行便を飛ばした頃がミャンマーブームのピークアウトではないだろうか。

懐かしのミャンマーを行く (10) 日本企業のミャンマー対応

《須賀 努》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. そのホイール、何年使ってる? 知られざるアルミホイールの寿命と見極め術~カスタムHOW TO~
  2. 2人乗りの特別なトヨタ『シエンタ』登場に「日本一周したい」「こういうの欲しかったんだよ」など反響
  3. ファン必見!『ミニGSX-R』は1000台注文あれば販売される!?「鈴鹿8耐」最注目の“スズキの隠し球”
  4. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
  5. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  6. フォード『ブロンコ』が60周年、初代をオマージュした記念パッケージが登場
  7. ホンダ『シビック』の顔が変わる! 英国版のグリルとバンパーが新デザインに
  8. レクサス、ベネチア国際映画祭の公式車両に…『ES』新型のEVがレッドカーペットに登場へ
  9. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  10. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る