懐かしのミャンマーを行く(18) 煎餅の原型がここにはあった

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懐かしのミャンマーを行く (18) インレー湖 日本の食べ物の原型を見る
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(8)インティエンの食べ物

そろそろボートへ戻るのかと思っていると、川の上流へ。そこは小さなダムになっていたが、その周辺では本当に昔ながらの生活が営まれていた。川で洗濯し、体を洗い、そして水を汲む。

我々が歩いていると、年配の女性が前に鍋を置いて座っていた。TAMが彼女に声を掛けると、彼女は立ち上がり、鍋に砂を敷き始めた。いぅたい何が始まるのかと見ていると、何とその砂鍋で大き目の煎餅を焼き始める。

そしてもっと驚いたことは、彼女は年配の女性ではなく、若い女性であり、その懐には赤ちゃんを抱えていた。彼女はここに座って煎餅を焼いてどれだけの収入になるのだろうか。赤ちゃんは生きていけるのだろうか、と余計な心配をしてしまった。何故かあの姿を見ると今でも涙が出そうで困る。TAMは一瞬にして彼女の状況を見抜き、さり気無く支援をしたのだと思う。その煎餅にはほんの少し砂が付いていたが、添加物などはまるでなく、実に実に自然な味がした。

更にボート近くへ戻ると、そこにはまるで日本のたこ焼きのような物が作られていた。食べてみるとタコは入っていなかったが、たこ焼きの外側に違いない。結構おいしいので幾つも抓まんでしまった。シャン州にはこのように日本の原型ではないかと思われる食べ物が沢山ある。いつの間にか市場は終わっていた。片付けのしている子供たち、その向こうには日本人の援助で出来たという学校がひっそりと建っていた。

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《須賀 努》

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