『CLSシューティングブレーク』には、4ドアのクーペには設定のない「4MATIC」(フルタイム4WD)が設定される。
前後して試乗した「63 AMG」と比較し、走りの“キャラ”に大きな違いが感じられた。63 AMGはダイナミックさを内包するが、こちらは想像以上に軽快でしなやかなフットワークが印象的だった。
前/後輪=45/55パーセントというトルク配分は、通常のオンロード走行で、的確かつ安定した接地感を実感させれくれる。また山岳路でも実に自然な挙動で、しなやかにクルマを走らせることができた。2030kgとシューティングブレーク中、最重量の車重はまったく意識させない。乗り心地もフラットで快適だ。
4.7リットルのV8ターボのパフォーマンスももちろん不満はあろうはずもない。けれど、ただ速いだけでなく、ゆったり流すような際の柔軟性、余裕が大きいのも魅力だ。
オーソドックスなデザインのシート(前席)は小柄なドライバーでも馴染みやすい。カーペットが敷き詰められた“普通の”ラゲッジルームも上質な出来栄えだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。