象牙など密猟と密輸の現状を示す「犯罪スコアカード」。来年タイで開催のワシントン条約会議を前に

エマージング・マーケット 東南アジア
象牙など密猟と密輸の現状を示す「犯罪スコアカード」。来年タイで開催のワシントン条約会議を前に
象牙など密猟と密輸の現状を示す「犯罪スコアカード」。来年タイで開催のワシントン条約会議を前に 全 1 枚 拡大写真

象牙など密猟と密輸の現状を示す「犯罪スコアカード」。来年タイで開催のワシントン条約会議を前に2013年3月にタイで開催されるワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約=CITES)の国際会議を前に、世界最大規模の自然環境保護団体「世界自然保護基金」(World Wide Fund for Nature=WWF)が作成した象牙など密猟と密輸の現状を示す「野生生物犯罪スコアカード」が話題になっている。

ゾウ、サイ、トラの生息国と、象牙、犀角(サイの角)、虎骨の中間取引国、最終消費国の計23カ国の現状をまとめたのが下記の一覧表。緑色が改善が見られた国、黄色が不十分な国、赤色が野放しの状態が続いている国を表している。

ワシントン条約は、絶滅が危ぶまれる野生動植物の国際的な取引を規制することで、これらの動植物の保護を図ることを目的とした国際条約。生体だけでなく、象牙や犀角なども対象とする。1973年に採択。日本は1980年に締約国となった。

WWFによると、象牙を採取する目的で殺害されるゾウは世界中で年間1万2000頭。中でも中央アフリカ諸国に生息するマルミミゾウは危機的なレベルにまで数が減っており、1回の密猟で数百頭ものゾウが今もなお命を奪われている。

一方、象牙の最大の最終消費地として槍玉に挙げられたのがタイと中国。タイでは出所不明の取引を禁止する法的な仕組みがなく、違法取引で得られた象牙を使って作られた装飾品などが公然と旅行客らに販売されている。中国でも違法取引の象牙が合法的な取引に紛れて流通しているという。

象牙だけでなく、犀角や虎骨も同様。東南アジアからはベトナムが最低の評価を受けた。ベトナム人の外交官が不法に犀角を所持していたとして南アフリカで身柄を拘束される事件もあった。

WWFでは、来年、タイでワシントン条約会議が開催されることから、タイ政府をはじめ東南アジア諸国に法的な整備と取り締まりを強化するよう求めることにしている。

《編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 第3世代e-POWERの日産『キャシュカイ』が無給油で英国縦断! その実力に日本導入への期待高まる
  2. 販売わずか3年の希少車種、「角目」のいすゞ『117クーペ』【懐かしのカーカタログ】
  3. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  4. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  5. ブラバスがロールスロイスSUVをカスタム! ワイドボディに700馬力の12気筒ターボ搭載
  6. 【ボルボ XC60 ウルトラB5 新型試乗】大胆緻密なマイチェンが証明する、ベストセラーであり続けている理由
  7. 日産『リーフ』新型、米国EV最安値の約440万円から…今秋発売へ
  8. 30年ぶりの快挙!ランチア『イプシロン ラリー4 HF』、欧州選手権で初勝利
  9. ランボルギーニ、世界29台限定の新型『フェノメノ』登場に大興奮!「めっちゃ好き」「よくやったランボ」と高評価の声
  10. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る