【日産 ラティオ 試乗】地味だけど燃費&走りやすさと後席の広さに納得…青山尚暉

試乗記 国産車
日産・ラティオ
日産・ラティオ 全 9 枚 拡大写真

『ティーダHB』が新型『ノート』と統合し、ティーダのセダン版=『ラティオ』は日産ラティオとして生まれ変わった。

主な市場は中国、タイ、ブラジルなどの新興国。世界150か国以上で販売される、クラスNo.1の燃費性能を目指す、グローバルな5ナンバーサイズの地味キャラ・コンパクトセダンだ。

エンジンは『マーチ』やノートにも積まれる3気筒の1.2リットル、79psユニット+CVTのみ。JC08モード燃費22.6km/リットル(75%減税)を達成しているが、ノート自慢のスーパーチャージャー版は用意されない。

エクステリア、インテリアデザインに大きな個性がないかわりに特徴を持たせたのが後席の居住性。身長172cmのドライバー基準でひざ回り空間は約25cmと広大(『カローラアクシオ』約19.5cm)。その上でトランクには9インチゴルフバッグが4セット積めるのだから、パッケージングはなかなかだ(後席分割、荷室スペースアップ機能なし)。

走りだせばパワステは軽く扱いやすく、走りやすさ、曲がりやすさは抜群と言っていい。カーブでも意外なほど粘り腰だから不安がない。出足から1.2リットルとは思えない軽快でレスポンスのいい加速力を発揮。そして静かだ。80km/h時のエンジン回転数はわずか1600回転ほどでしかない。

ただし、乗り心地は褒められない。段差やマンホールを越えたりすると、兄弟車のノートでは発生しないポコポコした低級音が気になる。道の悪い新興国で大丈夫なのか?なんて余計な心配をしてしまう…。この点では直接的ライバルのカローラアクシオがリードしそうだ。

日産コンパクトの中のポジショニングはノートの下、マーチのやや上。つまり日産コンパクト最上級だった先代ティーダ/ラティオとは違う。キャラのまじめさ、地味さ加減、扱いやすさから年配者向けとも言えるが、地味さが求められる営業車や不動産屋さんのお客さん送迎車としてもうってつけかも!?

ともかく燃費、後席の居住性や荷室の容量は大きなセーリングポイントになりうるだろう。ちなみにペットフレンドリー度をうんぬんするクルマではないです。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★
ペットフレンドリー度:★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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