【スバル XV 試乗】最低地上高の高さが乗り心地の硬さにつながる…松下宏

試乗記 国産車
スバルXV
スバルXV 全 9 枚 拡大写真

『インプレッサ』をベースにしたSUV感覚のモデルとして、『XV』が2012年9月にスバルより発売された。

ステーションワゴン由来のSUVとしては、かつて『フォレスター』が存在していたが、フォレスターはモデルを重ねるごとに全高を高くして一般的なSUVパッケージのクルマに変わっていった。このため従来のインプレッサにXVが設定され、今回はより明確なSUVとしてインプレッサからの独立性を高めたXVが登場することになった。

インプレッサの最低地上高が145mmであるのに対し、XVは200mmの最低地上高が確保され、本格SUVにひけをとらないロードクリアランスを確保する。というか、オフロードに持ち出すことも十分に可能な最低地上高である。

外観デザインはホイールアーチのー部分に樹脂製のパーツが採用されてSUV感覚を強めたほか、タイヤも17インチだけになって専用デザインのアルミホイールが採用されている。内装のインパネデザインなどはインプレッサと共通である。

XVは2.0リッターエンジンのみを搭載し、AWD車だけの設定になるが、基本はインプレッサスポーツと共通であると考えていい。車両重量はやや重くなったが、そのことが走りのフィールに影響を与えるほどではない。FB20型の水平対向2.0リッターエンジンが発生する110kW/196N・mの動力性能はこのクラスの平均的な実力である。

このエンジンによる走りの良さを感じる前に、走り出してすぐに感じたのは硬めの乗り心地だった。XVは前述のように最低地上高を高めに設定している。当然ながら重心高がやや高くなることが操縦安定性に影響を与えるため、硬めの足回りを採用して安定性を確保したものと思われる。

そのために、路面の凹凸やマンホールのふた、小さな段差など、路面状況の悪いところを走ったときに、硬めの突き上げが感じられた。この足回りについてはもうひと工夫欲しい印象だった。

硬めの足回りを採用したことは、最低地上高が高い割にワインディングでのコーナリング性能が確保されて、一定以上の操縦安定性を発揮することにつながっている。これはXVの足回りの良い面だ。ハンドリングのフィールも自然なものだった。

XVには3グレードが設定されているが、現時点で追突軽減ブレーキのアイサイトが設定されるのは最上級グレードの2.0i-Lアイサイトだけ。買うならこれに限る。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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