人権非政府組織(NGO)ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は2月1日、年次リポートを発表、2011年のマレーシア・デイでナジブ・ラザク首相が人権の保護と尊重のため取り組んでいくと発表したが大きな改善は見られなかったと指摘した。
主要な新聞やテレビ、ラジオにおける報道の規制、デモに対しての過剰な圧力、警察による権力乱用、アンワル・イブラヒム元副首相の不公平な裁判、人権団体「マレーシア人民の声」(Suaram)に対する外国政府からの資金援助疑惑を問題点として挙げた。
またレポートは政府が難民、亡命希望者など弱い立場の者の権利推進を約束したが、ほとんど進展は見られておらず改善が必要だと指摘。女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、性転換者(LGBT)についても差別が悪化しており、政府が東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の保護に反対していると示した。またマレーシアが国際連合人権理事会に加盟しながらも多くの基本的な条約を結んでいないと指摘した。