トヨタ自動車の伊地知隆彦取締役・専務役員は2月5日の決算発表会見で、業績の改善に関連し「今一度、足元のムダをそぎ落とし、筋肉質な体質にすることが持続的な成長につながる」と述べ、量的な拡大には慎重に臨む姿勢を強調した。
伊地知専務は「リーマン・ショックで多くを学んだが、右肩上がりの販売になると、忘れてしまいがち」とし、リーマン前は「販売増に伴って固定費が拡大していった」ことを反省点と指摘した。このため、リーマン後は「固定費のコントロール」に留意し、収益改善につなげてきたという。
固定費の抑制策として、トヨタは今後3年間、既に決定している案件を除き、国内外で新規の工場建設を原則行わない方針を豊田章男社長がトップダウンで示している。伊地知専務は「今後も固定費をしっかりコントロールし、収益構造の改善にこだわっていきたい」と話した。