トヨタ自動車の伊地知隆彦取締役専務役員は、2013年3月期の単独営業損益が5年ぶりの黒字なる見通しとなったことについて「国内生産300万台維持に対する我々の自信は深まりつつある」との考えを示した。
伊地知専務は2月5日に東京本社で開いた決算会見後、一部報道陣に対し「(1ドル=)79円の為替前提でも(単独営業)黒字というのが、一応今回はできることになった。そういう意味では、300万台維持に対する我々の自信は深まりつつあると思っている」と述べた。
一方、来期以降について伊地知専務は「黒字化維持のための魔法の薬も杖もないが、やはりこれまでやってきた通り、収益の改善、粗利を増やすことと固定費をできるだけ増やさない、この活動を続けていくしかないと思っている。当たり前のことを当たり前としてきちっとやる、これしか無いと思っている」と強調した。
トヨタは同日、販売台数の増加や想定以上の原価改善効果、為替の円高是正を理由に2013年3月期の単独営業損益予想を従来の200億円の赤字から、1500億円の黒字に上方修正した。会見で伊地知専務は為替影響を除いても100億円の黒字は可能と説明した。