密入国、スパイ行為でカンボジアで服役 タイ右翼団体女性、恩赦で帰国

エマージング・マーケット 東南アジア

【タイ、カンボジア】タイのテレビ報道によると、密入国、スパイ行為などでカンボジアで服役していたタイの右翼団体メンバーのタイ人女性が1日、カンボジアのシアヌーク前国王の死去にともなう恩赦で釈放され、タイに帰国した。女性ら右翼団体メンバー7人は2010年12月、タイからカンボジア領に陸路侵入し、カンボジア当局に逮捕された。このうち5人は執行猶予付きの刑でタイに帰国したが、女性は懲役6年、メンバーの男性1人は懲役8年の実刑判決を受け、服役していた。男性は今回の恩赦で刑期が6カ月短縮された。

 タイとカンボジアは両国国境にある山上遺跡プレアビヒア周辺の土地の領有権をめぐり、2008―2011年に武力衝突を繰り返した。7人の国境侵犯はこうした中で起き、カンボジアが重い刑罰を科す結果となった。

〈プレアビヒア〉
 クメール王国が9―11世紀に建立したとされる山上遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。国際司法裁は周辺地域の領有権については判断を示さず、国境紛争の火種が残った。
 プレアビヒアは2008年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されたが、これを機に、プレアビヒアの世界遺産共同登録・管理を主張していたタイが周辺地域で頻繁にカンボジアと武力衝突を起こすようになった。2011年には砲撃・銃撃戦で双方の兵士、住民ら30人近くが死亡、100人以上が負傷し、周辺地域の住民10万人以上が一時避難した。紛争激化を受け、カンボジアは同年4月、国際司法裁にプレアビヒア周辺の国境未画定地域の領有権に関する判断を求めた。判決は2013年中に下る見通し。

《編集部》

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