【マツダ アテンザワゴン 試乗】ディーゼルとワゴンは理想的な組み合わせ…島崎七生人

試乗記 国産車
マツダ・アテンザ
マツダ・アテンザ 全 6 枚 拡大写真

何といってもユニークなのは、『アテンザ』ワゴンはセダンよりホイールベースが80mm短く、全長も60mm短いこと。従来の常識なら反対で然るべきところだろう。

ただしワゴンは計算上、リヤオーバーハングをセダンより20mm豊かにし、その分、ラゲッジスペースを確保している。同時に後席も“座り較べ”をしてみると、頭上空間のゆとりがセダンより大きい。実用上ではもうひとつ、最小回転半径もワゴンのほうがセダンより小さな数値だ。

実利面でのネガを感じさせないセダンとの巧みな“寸法差”は、先代以上に凝縮感のあるプロポーション、ルックスも作り上げた。アテンザ・ワゴンは、セダンに決してヒケをとらないスタイリッシュさがおおいに魅力だ。

インテリアもメーター、空調操作パネルなど整然と配置され操作性がスムース。個人的な印象だが、ナビ画面から助手席前のアッパーフェイシアにかけて、デザイン的にやや重たく見える。奇異、乱雑にはしてほしくないが、少しコンサバに見える。

走りはセダンにまったく遜色ない。とくにコーナーでの身のこなしは実に素直。ボディ骨格が高剛性感を伝え、ワゴンボディを感じさせない。注目のディーゼルエンジンとのマッチングも上々。低速でトルクが厚く、吹け上りにストレスがないので、思いのままに走らせられる。車室内・外の騒音&振動レベルは低く、とくに加速時等の車内の騒音はBMW 『320d』より圧倒的に小さい。理想的なワゴンといえる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る