【三菱 デリカD:3 試乗】実用性を徹底したライトバン感覚のモデル…松下宏

試乗記 国産車
三菱・デリカD:3
三菱・デリカD:3 全 8 枚 拡大写真

『デリカD:3』は三菱が日産からOEM供給を受けているクルマで、ベース車は『NV200バネット』だ。

【画像全8枚】

ベース車である日産のNV200は、ライトバンとして実に機能的に作られたクルマであると同時に、ニューヨークやロンドンでタクシー車両への採用が決まるなど、ミニバンとしての基本ポテンシャルを備えている。

D:3には7人乗りのGと5人乗りのMの設定があり、Gに試乗した。Mは装備の中身はほとんど同じで乗車定員だけが異なるモデルと考えたら良い。遊び道具をいっぱいに積んで出かけたい人や、商売道具を積んで移動したい人はMを選べば良い。

搭載エンジンは直列4気筒1.6リッターの自然吸気DOHC。80kW/152N・mという動力性能はこの排気量のエンジンとして平均的というか、ごく平凡な実力である。

車両重量が1360kgに達するミニバンのボディに、この排気量でどうかと心配しながら試乗したが、少なくとも一人で平らな市街地を走った範囲では動力性能に不満を感じるシーンはなかった。

ただ、特に余裕があるわけではないので、高速道路で急こう配の上り坂を走るなどといったシーンでは、走りに不満が出るであろうことは容易に想像される。

ATも今どきの乗用車用とは思えない4速ATで、このあたりはライトバン仕様のクルマがそのままミニバンに変わったという印象だ。

足回りは意外にしっかりした印象があった。これはたくさんの荷物や乗員が乗ることを想定しているためだろう。

外観デザインも普通のライトバン感覚のもので、インテリアも乗用車として考えたら、ちょっと安っぽいなと感じさせられる。家族で移動するミニバンというより、商売道具、遊び道具的な使い方をするユーザー向けのクルマと考えたら良い。

198万4000円の価格は、このクラスのミニバンとしてはちょっと安めではあるものの、装備が貧弱であることなどを考えると際立って安いわけではない。ファミリーユーザーなどには勧められないが、実用性重視で割り切るユーザーなら納得できると思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. “変な”ジャパンモビリティショー2025、失望と希望…海外報道
  2. 初代『セリカ』が創刊号、全長20cmの1/18スケール国産名車コレクション…アシェットが2026年1月発売
  3. 日産『ノートオーラ』など5車種783台をリコール…土曜ニュースランキング
  4. VW『ゴルフ』復権へ、Mk. 9は完全電動化! ところがエンジン搭載バージョンも?
  5. 「デザイナー天才」とSNSで話題! 熱帯雨林モチーフのポルシェ“オセロット”発表「内装の作り込みがすごい」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る