トヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』が12月10日で発売から15周年を迎えた。同日開催された「永遠の記憶に残るトヨタハイブリッド 15周年ミーティング」では、「トヨタハイブリッド開発者への15の質問」と題した質疑応答が行われた。
参加者による15の質問に回答したのは、トヨタ自動車製品企画本部小木曽聡常務理事、同豊島浩二チーフエンジニア、同岡部慎主査、同田中義和主査ら4名の開発陣。
今後はハイブリッド主体の車種構成に?
三浦和也さん:三浦です。2012年2月から『プリウスPHV』に乗っています。新型『クラウン』のハイブリッドが従来より安くなり、トヨタの国内販売台数ではすでに4割がハイブリッドということですが、今後、他車種も含めて、ハイブリッド主体の車種構成になっていくのでしょうか。
それぞれの車種にまんべんなくハイブリッドを用意
小木曽:ハイブリッド車がどんどん増えてマジョリティになっていきますと、従来のコンベンショナルなエンジン車と同じような存在になるでしょう。ハイブリッド車ということを知らずに乗ってみて燃費がいいなと思ったら実はハイブリッド車だった、そんな時代になると思います。端的な例は、新型『カムリ』です。日本市場ではハイブリッド車だけのラインアップですが、ハイブリッド車というより高級車としてのイメージを強く押し出していて、販売は好調です。
僕が思い描く車種構成としては、まず今みたいに多彩なラインアップがあって、それぞれの車種にまんべんなくハイブリッドを用意し、そのうちの一部がスペシャルなハイブリッド、というイメージ。あるいはベースグレードは1.5リッターのハイブリッド、上級グレードは1.8リッターのハイブリッドといった具合に、細分化も考えられます。
オランダは半分がハイブリッド車
三浦:海外でのハイブリッド車比率はいかがでしょうか。今の日本の状況は、進んでいるのか、それとも特殊なケースなのでしょうか。
小木曽:もちろん日本特有の事情はありますが、日本は先行していると思います。というのも日本はご存知の通り、ガソリンにかかる税金が高く、相対的にガソリンが高いんです。だからガソリンを節約できるハイブリッド車は大変重宝される。近年、ヨーロッパでも、トヨタの新車販売のうち、ハイブリッドの比率が2割を超えようとしています。アメリカはまだ1割くらいですが、今後はもっと増えていくと思います。
ひとくちにヨーロッパといっても国によって状況はだいぶ異なります。とりわけ環境意識が高いオランダは、2012年にトヨタが販売した台数のうち半分がハイブリッド車で、2013年は6割になると予測しています。