日本自動車工業会の豊田章男会長は2月15日の定例会見で、日本経済について「まだまだ3分の1にも満たない回復状況」との見方を示した。
豊田会長は会見で「『失われた20年』によって、日本が失った株式の資産総額は約300兆円に上るといわれている。今回、株価が3割上昇しているという意味は80兆円ほど回復してきたということだ。そういう意味ではまだまだ3分の1にも満たない回復状況であるというのが日本経済の現在の状況を正しく表していると思う」と述べた。
また「バブル崩壊以降、内需がだめなら外需だとか、苦労の連続があり、ようやく見えた頃に起こったのがリーマンショック。その後、東日本大震災と超円高が襲った。本当に苦労の連続が、とくにリーマンショック以降、大きなマグニチュードで表れた。一番の大変が円高だった」と振り返った。
その上で「安倍政権においては、短期的に成長、成果が表れるデフレ脱却はもちろんだが、この先10年、20年といった中長期的な展望のもとに成長戦略を実行して、失われた20年を取り戻す気概で是非とも取り組んで頂きたい」と要望した。