国土交通省は、全日本空輸(ANA)が運航するボーイング787型機が1月9日から1月11日にかけて機材不具合が3件発生した事象についての調査結果を発表した。
787型機は1月9日、山口宇部空港着陸時に、ブレーキ装置の一部が作動しなかった。着陸後の点検で左主脚の電気ブレーキ作動用の制御装置に不具合が確認された。1月11日には、飛行中、機長席側の操縦室窓にひび割れが生じた。松山空港着陸後の点検で5層構造の窓の一番外側のガラス層に損傷が確認された。
更に1月11日、宮崎空港着陸後に点検中、左エンジンの発電機のオイルが熱交換器からしみ出ているのが発見された。
同省の調査結果によると、ブレーキ制御装置の内部部品(トランジスタ)の破損が確認された。部品の製造品質などが原因で発生した可能性が考えられるが、ボーイングがと部品メーカーが詳細な調査を実施している。
同省では、ボーイングの品質向上の取組みを監視するとともに、設計・製造国政府である米連邦航空局(FAA)に対して必要な対応を要請した。
操縦室窓のひび割れ発生は、これまで発生した同種事例でシール部への水分侵入が原因だったが、今回は窓内部のくもり止めフィルムの製造品質などが原因で発生した可能性を指摘、ボーイングと部品メーカーが詳細を調査中。
発電機用オイルの熱交換器からの漏洩は、ロールスロイス製エンジンを装備したB787と、改良型発電機との組合せで発生しており、オイルの脈動による負荷が原因で、熱交換器内の配管に微小亀裂が生じた可能性があるとしている。
今後、不具合を防止する再改良型の発電機を3月頃に開発する予定で、順次導入していく。加えて再改良型発電機へ交換するまでの当面の措置として、従来型の発電機への交換を実施する。同省ではFAAに対して必要な対応を要請した。