“映画の神様”は気まぐれ? 第85回アカデミー賞受賞結果をふり返る

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ダニエル・デイ=ルイス、アン・リー、ベン・アフレック -(C) UPI/AFLO
ダニエル・デイ=ルイス、アン・リー、ベン・アフレック -(C) UPI/AFLO 全 12 枚 拡大写真

今年も世界中を熱狂させた映画界の祭典「第85回アカデミー賞」。今年は、セス・マクファーレンの見事な司会ぶりも去ることながら、“ミュージカル”をテーマに様々なパフォーマンが繰り広げられ、ロサンゼルスのドルビー・シアターに詰めかけたセレブたちを魅了した。しかし、何よりも今年は舞台裏では熱いドラマが繰り広げられていたこともあり、今年の授賞式は例年以上の盛り上がりを見せた。

今年、最も映画ファンたちが熱くなったのはやはりベン・アフレックが監督・脚本・製作をこなした渾身の1作『アルゴ』の「作品賞」受賞の瞬間だろう。ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞など賞レースでは、向かうところ敵なしでインターネット上では「やはり『アルゴ』強し!」という見出しが躍り、“今年は『アルゴ』の一人勝ちなのでは?”という声も。

しかし、賞レースの大一番「第85回アカデミー賞」では、注目を集めていた「監督賞」に“監督ベン・アフレック”の名はなく、世界中がその不可思議な選考に驚き、大いに物議を醸していた。しかし、本日25日(月)にて、見事「作品賞」でその悲願を果たしたが、スピーチのために檀上に立った彼は、「どうだい、魅力的な“プロデューサー”4人の姿は?」と語り、最後まで監督としてオスカー像を握ることはなかったようだ。

そのほかで注目を集めたのは、『リンカーン』。今年、12部門で最多ノミネートと鳴り物入りで登場し、注目を集め、世間の予想もどの部門においても『リンカーン』を上げる人々が多かった。しかし、蓋を開けて見れば意外や意外、ダニエル・デイ=ルイスの「主演男優賞」と「美術賞」の2部門のみと、寂しい結果に終わってしまった…。

そんな『リンカーン』に代わって、4部門を制し最多受賞作となったのは『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』だ。「監督賞」を始め「視覚効果賞」、「撮影賞」、「作曲賞」に輝いた本作の監督を務めたアン・リーは、スピーチで「映画の神様、ありがとう!」と語るなど、まさに誰もが予想だにしなかった結果に驚かされたことだろう。

まったく“映画の神様”は気まぐれである。果たして、来年はどんなドラマが待ち受けているのだろうか?

【「第85回アカデミー賞」受賞結果一覧】

●作品賞:『アルゴ』

●監督賞:アン・リー(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)

●主演男優賞:ダニエル・デイ=ルイス(『リンカーン』)

●主演女優賞:ジェニファー・ローレンス(『世界にひとつのプレイブック』)

●助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ(『ジャンゴ 繋がれざる者』)

●助演女優賞:アン・ハサウェイ(『レ・ミゼラブル』)

●脚本賞:クエンティン・タランティーノ(『ジャンゴ 繋がれざる者』)

●脚色賞:『アルゴ』

●視覚効果賞:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

●美術賞:『リンカーン』

●撮影賞:クラウディオ・ミランダ(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)

●衣装デザイン賞:ジャクリーン・デュラン(『アンナ・カレーニナ』)

●長編ドキュメンタリー賞:『シュガーマン 奇跡に愛された男』

●短編ドキュメンタリー賞:「Inocente(原題)」

●編集賞:ウィリアム・ゴールデンバーグ(『アルゴ』)

●外国語映画賞:『愛、アムール』(オーストリア代表)

●主題歌賞:「Skyfall」/アデル(『007 スカイフォール』)

●音響編集賞:『007 スカイフォール』、『ゼロ・ダーク・サーティ』

●録音賞:『レ・ミゼラブル』

●メイクアップ&ヘアスタイリング賞:『レ・ミゼラブル』

●作曲賞:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

●長編アニメーション賞:『メリダとおそろしの森』

●短編アニメーション賞:『紙ひこうき』

●短編実写映画賞:『リッチーとの一日』

特集「2013 ACADEMY AWARDS」
http://www.cinemacafe.net/feature/oscar2013/

生中継!第85回アカデミー賞授賞式
[WOWOWプライム]
リピード放送 2月25日(月)21:00

《text:cinemacafe.net》

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