3月2日、NASCARネイションワイド・シリーズの第2戦「Dollar General 200」が米アリゾナ州のフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催された。
フェニックスの同シリーズ戦はKy.ブッシュが得意としており、2008年、2010年、2011年に勝利を挙げている。
2日、決勝を前に午前11時5分から予選が行われ、カイル・ブッシュがポールポジションを獲得。ブライアン・ヴィッカーズが2番手、マット・ケンゼスが3番手で続き、予選トップ3を独占したトヨタ『カムリ』は、13台が決勝へと進んだ。
カップ・シリーズの最終練習走行を経て、午後2時47分、1マイルオーバルを200周して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュに、ヴィッカーズ、ケンゼスが続き、序盤からカムリが速さを見せつけた。
37周目にこの日2度目となるイエローコーションが出されると、上位勢はピットへ。トップのKy.ブッシュはピットの停止位置を若干はみ出し、押し戻すためにタイムロス。また、ピットアウト時にはスピード違反のペナルティを取られ、首位と同一周回最後尾の23位まで後退。ヴィッカーズが首位、ケンゼスが2番手、15番手スタートから順位を上げたエリオット・サドラーが7位とトップ10圏内に浮上した。
ケンゼスとヴィッカーズが激しい首位争いを繰り広げる一方で、Ky.ブッシュも猛烈な追い上げを開始。3度目のイエローコーションから13位で再スタートを切ると、得意の好ダッシュで一気に5位へジャンプアップ。88周目には首位を行くケンゼスをかわし、ついに首位を奪還した。
102周目のイエローコーションで全車ピットへ向かい、給油を行ったが、最後まで走りきるには厳しい残り周回。再スタート後すぐの111周目にもイエローコーションとなり、数台はピットへ向かったが、それでも予想のフルタンク80周には届かないため、上位勢はここでは入らず、後でもう一回ピットに入る作戦を採った。
残り50周でクラッシュ車両によりイエローコーションが出され、Ky.ブッシュら上位勢は最後のピットへ向かったが、先のコーションでピットに入った数台がコース上に残り、最後まで走りきるギャンブルに。給油と共に2本タイヤを交換したKy.ブッシュとヴィッカーズが5位、6位、4本交換したサドラーとケンゼスは9位、14位で再スタートとなった。
得意の再スタートを決めたKy.ブッシュは、3ワイドのバトルの末に、一気に3位へ。ヴィッカーズもこれに続いた。Ky.ブッシュの勢いは止まらず、162周目にはこの日3度目の首位へ復帰。しかし、Ky.ブッシュに続こうとしたヴィッカーズは、172周目、前走車をパスしようとして3ワイドで挟まれる形になり、周回遅れと接触。スピンを喫したヴィッカーズは、右リアタイヤのパンクとボディの修復のためピットインを余儀なくされ、19位へと後退してしまった。
177周目、Ky.ブッシュが首位、サドラーが5位、ケンゼス12位で再スタート。Ky.ブッシュは危なげなく逃げ切り、最後は2位に2秒近い差を付けてトップチェッカー。200周中142周でリードラップ獲得とレースを支配し、ポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を飾った。サドラーは5位。最後追い上げたケンゼスは8位に入った。カムリはKy.ブッシュ、ケンゼス、ヴィッカーズの3台で、200周中190周で首位を走行する速さを見せた。
この勝利は、2007年にネイションワイド・リーズに参戦を開始したカムリにとって、同シリーズでの通算75勝目。そのうち、Ky.ブッシュが41勝を上げている。Ky.ブッシュにとっては、24戦ぶりの同シリーズ勝利であり、自身が持つシリーズ最多勝利記録も52へと伸ばした。また、Ky.ブッシュはこの日、同シリーズでの通算獲得リードラップ数でも1万1000ラップを突破し、自身の持つ記録を更新した。
次戦第3戦は3月9日、ラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。
■第2戦 Dollar General 200 決勝結果
1位:カイル・ブッシュ トヨタ
2位:ブラッド・ケゼロウスキー フォード
3位:ジャスティン・アルゲイヤー シボレー
5位:エリオット・サドラー トヨタ
8位:マット・ケンゼス トヨタ
■ドライバーズポイント
1位:サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 79P
2位:ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 79P
3位:ブライアン・スコット シボレー 73P
4位:エリオット・サドラー トヨタ 69P
5位:パーカー・クリガーマン トヨタ 65P
10位:アレックス・ボウマン トヨタ 54P
■マニュファクチャラーズポイント
1位:トヨタ 13P
1位:シボレー 13P
3位:フォード 12P
4位:ダッジ 3P