三井不動産は3月5日、千葉県柏市の柏の葉スマートシティで社会実験中のマルチ交通シェアリングに、電気自動車(EV)に貯めてある電力を非常時に街の電源として利用する防災機能を加えたシステムを導入すると発表した。3月23日から運用を開始する。
非常用電源BOXと名付けられたシステムは、電力供給システム「LEAF to Home」を核にLED照明やワンセグテレビ、通信機器充電のためのコンセントやUSB端子などを備えている。三井不動産によると東日本大震災の際に情報の遮断が地域住民に不安を与えたという教訓から、通信網やテレビに電気を使えるような仕様にしたとしている。
非常用電源BOXとともに今回導入される日産自動車『リーフ』を使えば、満充電の状態で携帯電話なら4000台分の充電、またはBOXに備えられている照明およびテレビを24時間連続で10日間使用することができるという。
平常時にはEV用充電器として使用する。非常用電源BOXは柏の葉スマートシティ内の防災拠点および柏市役所にそれぞれ1台ずつ設置する。
また、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅周辺に3台設置されるデジタルサイネージには、マルチ交通シェアリングで使用するリーフ2台の位置のほか蓄電池の充電容量などの各種情報を一元管理する機能を持たせ、災害時の際に非常用電源BOXに近い位置にいる車両や充電量が多い車両を優先的に向かわせるよう指示を出すことができるとしている。
柏の葉スマートシティで社会実験中のマルチ交通シェアリングには、リーフ2台のほか、『スマートEV』1台、ガソリンエンジンのスマート3台、電動バイク5台、自転車50台などがあり、専用のカード1枚でシェアリングサービスが受けられるようになっている。現在400名が会員登録しているという。