【メルセデスベンツ CLSシューティングブレーク 試乗】格別の存在感と迫力満点の走り…金子浩久 

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ CLS63AMGシューティングブレイク
メルセデスベンツ CLS63AMGシューティングブレイク 全 3 枚 拡大写真

メルセデス『CLSシューティングブレイク』は、とても“旬”な一台。

シューティングブレイクとは、もともと2ドアのスポーツカーやGTをベースとしてステーションワゴンに仕立て上げられた贅沢なカスタムカーが本筋だ。

カタログモデルでは、リアライアント『シミターGTE』という通好みの一台がかつて造られていた。イギリスのコーチビルダーが、1960年代のアストンマーチン『DB5』や『DB6』、1970~80年代のジャガー『XJS』などにステーションワゴンボディを載せ替え仕立て上げたものもあった。

今回試乗した「CLS63AMGシューティングブレイク」は、その名の通りAMGのハイパワーエンジンを搭載した高性能豪華版で、ノーマル版には「CLS350シューティングブレイク」と「CLS550シューティングブレイク」がラインナップされている。

メルセデス・ベンツのステーションワゴンは、CクラスとEクラスにそれぞれ設定されているが、クーペスタイルの4ドアセダンCLSから素早くステーションワゴンを派生させた企画の勝利だろう。

CLSというニッチ(台数は必ずしもニッチではないが)にニッチを重ねたシューティングブレイクの荷室積載量はキャビン同様に最大を狙ったものではない。積載量を求めるならば前述のワゴンを求めるべきなのだ。CLSシューティングブレイクは、あくまでもスタイル優先。でも、そこがウケている。たしかに存在感は抜群で、高速道路のサービスエリアに停めると一手に注目を集めていた。誰の目にも今まで見たこともないカタチをしていることは間違いなく、そういうクルマを求めている人には、今、このクルマが一番だろう。

特に、オプショナル装備のトランクルームのウッドフロアがシビれる。戦前の高級車や高級ヨットなどをデザインモチーフにしているのだろうが、とてもこのクルマに合っているし、このクルマを買うのだったらぜひ注文したくなる仕上げの良さだ。

パワーは十分以上で、速くて迫力満点だが、乗り心地に繊細さと柔らかさが加わるとより贅沢さが増してくるだろう。高速域では安定していて頼もしいのだが、日本の道路ではそれが裏目に働いて、硬過ぎる。路面の段差や舗装のつなぎ目をそのまま車内に伝えてきてしまうことが少なくなかった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

金子浩久|モータリングライター
1961年、東京生まれ。主な著書に、『10年10万キロストーリー 1~4』 『セナと日本人』『地球自動車旅行』『ニッポン・ミニ・ストーリー』『レクサスのジレンマ』『力説自動車』(共著)など。

《金子浩久》

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