東京商工リサーチは、上場企業の希望・早期退職者募集状況調査結果を発表した。
2013年4月5日現在で、希望・早期退職者募集の実施を公表した主な上場企業は、具体的な内容を確認できたもので34社に達した。今年は3カ月余りで、既に2012年1年間の63社の半数を超えた。
産業別で最も多かったのは、富士通、ルネサスエレクトロニクス、ロームなど電気機器の9社だった。次いで、化学・機械・サービス・非鉄金属がそれぞれ3社と続いた。
募集人数の最多は、ルネサスエレクトロニクス(グループ会社を含む)の3千数百人。次いで、日本無線の650人、NTN(グループ会社を含む)の600人、富士通の300人、ロームの250人、三陽商会の230人、JUKIの200人、タムラ製作所の200人(グループ会社を含む)、淺沼組の150人、タカラトミーの150人(グループ会社を含む)と続く。
募集人数100人以上は、判明した34社のほぼ半数の16社だった。
年初に急増した上場企業の希望・早期退職者募集は、円安や株価上昇など、国内景気に明るさが出てきたこともあり増加ペースは鈍化した。しかし、円安効果は輸出企業が中心で、内需型産業などの業績反映にはタイムラグが生じ、リーマン・ショックや東日本大震災などの後遺症を引きずる企業も多い。
このため、東京商工リサーチは、コスト削減を目的とした人員削減に取り組む企業が、業種によってまだら模様ながら引き続き出てくると見ている。業績が回復した企業でも将来ビジョンを見据えて、収益構造に見合った最適人員化に向けて動く見ており、上場企業の希望・早期退職者募集は前年を上回る可能性が高いと予想する。