【フォード フォーカス 試乗】走りもいいけど、お行儀もいい…金子浩久

試乗記 輸入車
フォード・フォーカス
フォード・フォーカス 全 12 枚 拡大写真

3代目となるフォード『フォーカス』は外見こそ大人し目のモデルチェンジだが、内容は大胆に一新された。

【画像全12枚】

2012年の発表時に工場のあるタイで試乗したが、フォーカスの美点である俊敏なハンドリングと安定性の高さは変わらずに、さらに快適性や車内の品質などが向上していた。

フォーカスと言えば、WRC(世界ラリー選手権)での連勝というイメージが強いが、フォードは昨年WRCから撤退してしまった。それと直接は関係ないだろうが、今度のフォーカスは快適性を向上させ、大人っぽく仕上がってきているのだ。走りもいいけど、お行儀もいい。

上陸した日本仕様のフォーカスは、ノーマルのサスペンションダンパーとスプリングを15パーセント引き締めた「S」(スポーツ)という仕様のみ。装備や仕様なども最上級のものが施されている。

走りっぷりはタイで受けた印象と基本的に変わらない。懐が深く機敏で運転が楽しくなるが、引き締めたダンパーとスプリングが低速域での乗り心地を硬くし過ぎていることもあった。Sではないモデルも日本仕様に欲しくなった。

フォーカスに限った話ではないが、規格の違いからカーナビが標準で設定されていない輸入車が少なくない。輸入されてから汎用のカーナビを後付けするとオーディオや携帯電話、エアコンなどの操作が統合的に行えなくなる場合が多い。

少し前までならそれは決定的な短所になってきたが、今は違う。優秀で安価なカーナビアプリがたくさん出回るようになったからだ。スマートフォンやタブレット端末にインストールして使えばカーナビと変わらない。いいのは、最新の地図データが随時更新されることだ。筆者も伊豆長岡の山中でルートから外れた時に、持参していたiPadの「いつもNAVI」アプリを立ち上げ、見やすい地図とわかりやすい音声ガイダンスに導かれて戻ることができた。だから、フォーカスはカーナビの付いていないモデルを選ぶべきだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

金子浩久|モータリングライター
1961年、東京生まれ。主な著書に、『10年10万キロストーリー 1~4』 『セナと日本人』『地球自動車旅行』『ニッポン・ミニ・ストーリー』『レクサスのジレンマ』『力説自動車』(共著)など。

《金子浩久》

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