【アイシンAW NAVIelite インプレ前編】待ち合わせやツイッター連携できるシェア機能が楽しい

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アイシンAW NAVIelite
アイシンAW NAVIelite 全 17 枚 拡大写真

本格カーナビのソフトウエアをほぼそのままスマートフォンに移植したナビアプリとして、登場したNAVIelite。2011年1月の発表から2年以上が経過したが、その間にも着々と進化を続けている。今回は、この数カ月のあいだに相次いで追加された一連のシェア機能を中心に紹介しよう。

◆カーナビとして完成された基本性能、地図更新の速さは相変わらずトップクラス

注目のシェア機能を紹介する前に、NAVIeliteのアウトラインを確認しておこう。同アプリは世界有数のカーナビ機器メーカーであるアイシンAWが開発、発売したアプリだ。自動車メーカーの純正ナビとして多くのユーザーに馴染みのあるカーナビのソフトウエアを、機能だけでなくユーザーインターフェースまで含めてほとんどそのまま、iPhone用アプリに移植した。もちろんこのようなアプリはほかに例がなく、非常に大きな注目を集めるとともに、3800円/年という高価格にもかかわらず、たちまちアプリ販売ランキングの常連となった。

現在はラインナップを拡充し、同じ機能を持つAndroid版や渋滞情報関連の機能を省略して2,800円と低価格化を図ったmini版(iPhone版のみ)がある。いずれのバージョンも地図データ、検索データを端末内に保存し、ルート検索などの処理も端末だけで行うスタンドアロンのアプリとなっている。そのため、通信できない環境でも渋滞情報とシェア機能以外の機能は支障なく利用することができる。ただし、データ量が膨大なため、端末のストレージを2~4GB以上も消費してしまうので注意が必要だ。インストールも3GやLTE回線では行えず、Wi-Fiでダウンロードするかパソコンでダウンロードして転送する必要がある。

機能としてはカーナビ専用機の、それもかなり高価なモデルと比較しても遜色ないものと考えていい。使い心地もカーナビ専用機とほとんど同じで、この違和感の無さ、だれでもすぐに馴染めるユーザーインターフェースこそが本アプリの大きな美点だといえる。

高価なカーナビ専用機と比較して明らかに違うのは、スマートフォンアプリである性質上、車速信号を入力できないことだ。そのためGPSを受信できないトンネル内などでは現在位置の測位不能となる。しかし、逆に高価なカーナビ専用機よりも優れている部分もある。それが、地図更新の速さだ。最近はカーナビ専用機でも無料で地図を更新できるモデルが増えているが、1年に1回といった更新であることが多い。ところが、本アプリは1年に6回もの地図更新が行われる。そのため新しい道路がすぐに表示され、新規開店したショップも検索できる。このアドバンテージは非常に大きいといえる。

「シェア」で広がるナビの可能性、最新機能の「待ち合わせナビ」は画期的

登場時から完成度の高かったNAVIeliteは、その後も進化し続け、例えば到着予想時刻がアナログ表示で見にくかったのをデジタル表示に改めたり、メモリ地点をサーバーにバックアップできるようになったりと、地道な改良を絶え間なく実施してきた。iPhone 5にもいち早く対応し、少し長くなったディスプレイを有効に活かすボタン配置の変更で、使いやすさをアップさせている。

その結果、カーナビとしての性能や機能はほぼ行き着いた感がある。もちろん改良の余地はあるが、多くのユーザーにとって不満のないレベルに達した以上、従来のような地道な改良だけでは停滞していると見られかねない。そこでアイシンAWが打ち出してきた新機能が、「シェア」機能だ。NAVIeliteには従来から目的地をメール送信できる機能があったが、その機能を取り込み、さらに新たな機能を追加して目玉機能としたのが「シェア」機能だ。

「シェア」機能は前述のメール送信のほか、「ツイッター連携」、「待ち合わせナビ」の3つの機能がある。このうち「待ち合わせナビ」が最後に追加された機能であり、その内容が最も(というより飛び抜けて)高度なので、この機能から紹介しよう。

機能名で察しはつくと思うが、これはNAVIeliteのユーザー同士で位置情報を共有できる機能だ(ただし、NAVIelite miniではこの機能は使えない)。例えばどこかで待ち合わせをするときにその場所を目的地として相手のNAVIeliteに送信したり、自分のいる場所に来て欲しい時に、自分の現在地を送信することができる。当然、相手の現在地を知ることも可能だ。

具体的には、待ち合わせナビのメニューから相手にメッセージを送り、相手に承認してもらうことで目的地などの情報を共有することができる。宛先は相手のNAVIeliteのアカウントで指定する。NAVIeliteは1年半ほど前にメモリ地点をサーバーにバックアップする機能を追加したが、その時点でアカウントを取得して使用する仕様となっている。待ち合わせナビでもこのアカウントを使用する。また、地図上に表示するアイコンとして自分の写真を設定することもできる。

◆2台以上のドライブでもぜひ利用したい「待ち合わせナビ」

「待ち合わせナビ」を実際に使ってみた。最初は、友達と所定の場所で待ち合わせをする場合。まず通常の操作で待ち合わせ場所を目的地としてルート検索をしておく。つぎに「待ち合わせナビ」の「待ち合わせる」機能を選び、「目的地」ボタンをタップしてメッセージを友達に送る。受け取った友達はダイアログが表示されるので「接続する」をタップ。すると目的地(待ち合わせ場所)が自動的にセットされ、そこまでのルート検索も同時に行われる。

ここですごいのは1画面の中に目的地、自分の現在地とルート、友達の現在地とルートが同時に表示されることだ。しかも友達の現在地はリアルタイムに更新されるので、自分が目的地に向かいながら、同時に友達が目的地に向かっている様子をモニターできる。

次に、自分の現在地を目的地として友達に送信する場合。これは「待ち合わせる」機能で「自分の位置」をタップして友達にメッセージを送ればいい。すると友達のNAVIeliteには自分の現在位置が目的地として設定され、ルート検索が行われる。そして、ここが面白いのは、自分が場所を移動すると、それに応じて友達のNAVIeliteに設定されている目的地も自動的に移動し、リルートか行われることだ。これは使っていて「すごい」と思わせる。

「待ち合わせナビ」にはこうした「待ち合わせ」機能のほかに「相手の位置を表示」機能もある。これは相手の現在位置だけを表示し、ルート設定は行わない機能だ。この機能でも相手が移動すればリアルタイムに追跡できる。

使ってみて、「ここがポイントだな」と思ったのは、まず、相手の位置を自分のNAVIeliteに表示するには、どの機能をどのように使っても、必ず相手の承認が必要なこと。当然といえば当然だが、相手に内緒で相手の位置をモニターすることはできないようになっている。もう一つは、位置情報を共有するにはお互いのNAVIeliteが起動していなければならないことだ。これは使っていて何度か落とし穴になることがあった。

たとえば自分の現在位置に友達を誘導する場合、友達に送信したあと、ついiPhoneをスリープ状態にしてしまうことがある。しかし、そうすると相手との接続が切れてしまうのだ。こうなると自分が移動してもそれが相手に伝わらないし、接続が切れた旨がダイアログで表示されるので、相手としてはちょっと不安になってしまう。

試してみたところ、NAVIeliteを使っている画面でホームボタンを押しても接続が切れることはないが、iPhoneをスリープ状態にするとその瞬間に接続が切れる。また、別のアプリを使うと切れてしまうこともあるようだ。こうした注意点はあるが、相手の位置がリアルタイムでわかるだけでなく、ルートまで引いて案内させるという便利は他にはない、NAVIeliteだけの機能だ。ゴールデンウィークの友人との外出や待ち合わせなどに、活用してみる価値はある。

《山田正昭》

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