佐藤琢磨の凱旋会見詳細…「次へ次へという気持ち」

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インディカー日本人初勝利の佐藤琢磨選手凱旋会見(ホンダ青山本社)
インディカー日本人初勝利の佐藤琢磨選手凱旋会見(ホンダ青山本社) 全 4 枚 拡大写真

インディカーシリーズ第3戦のトヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチで日本人として初勝利を収めた佐藤琢磨選手。4月26日、ホンダの青山本社で凱旋会見が行なわれた。

---:勝利直前の心境を教えてください。

佐藤選手(以下敬称略):一つ一つのコーナーを噛み締めるように走りました。しかし最後のラップは、緊張感と本当に勝つんだという喜びがあり、言葉で表現することが難しい状態。喜びを爆発させたいが最後まで抑えないといけないあの感覚は、非常に印象に残っています。

---:36歳という年齢について、世界で活躍するアスリートは20代が多いですが、日本の同世代の希望になったのでは。

佐藤:20代のドライバーは勢いもあるし、フィジカルも強いです。一つひとつのファクターでは勝てないけれど、集中力や落ち着き、そしてクルマとの一体感。そうしたレーシングドライバーの理想に近づけるドライビングが出来てきた気がします。優勝を通じてメンタルはいま急上昇中ですし、フィジカルも鍛え続けます。ただしこの歳になると怪我もありますので、アフターケアも大事にしています。

---:スーパーフォーミュラなどの別カテゴリでドライブする機会を持ちましたがその狙いや背景を教えてください。

佐藤:スーパーフォーミュラ含めた他のカテゴリに参加することの意味というのは、ドライバーによって大きく違うと思います。自分のような(年齢を経てから本格的にレーシングドライバーとなった)経緯のある人間には、マイナスに働きます。若いドライバーは一つのカテゴリに集中するというのが当然と思います。ただ一方、例えばF1では毎回状況が変わります。変わる状況に順応する能力が大事で、インディも同様です。自分の芯にあるフィーリングが狂わなければ、いろいろなカテゴリに挑戦することはプラスになります。

事故や怪我の可能性も大きくなるけれど、オーナーが理解を示してくれたのは有り難かったですし、大きな経験になりました。

スーパーフォーミュラのマシンは非常に繊細。重箱の角をつつくようなエンジニアリングが必要で、感覚が研ぎすまされていきます。そうした感覚をインディカーのダイナミックな運転に応用できました。ロングビーチで勝てたということは、これまでのいろいろなカテゴリへの挑戦が結果につながったと証明できたのだと思います。

--:(4月26日)現在ランキングで2位です。

佐藤:サトウがランキング2位なんて誰も予想していなかったと思います。ただ勝ちたいという気持ちが強いのですが、その気持ちをうまく形に出来ていなかったのがこれまでです。

年齢もそんなに若くはないです。ドライバーとしても先はそんなに長くはないですね。しかし、経験を得て、完走を積み重ね、シリーズを通して戦うことは、結果という意味でもこれまで以上に意識していきたいです。

---:勝利を手にするには勝てない時も、モチベーションを維持することが大切だと思いますが、どのように維持してきたのでしょうか。

佐藤:今回は、これまでの経験を活かし、ある程度はがんばるのだけど、引く事もできる、そういう余裕を持てていました。メンタルもフィジカルも維持できているのは、勝ちたいという気持ち。つぎへつぎへという気持ち。ここからはさらに、やりたいレースが出来るぞと思っているので、モチベーションはさらに上がっています。

---:勝利の瞬間の感想をお聞かせください。

佐藤:チェッカーズフラッグをうけた瞬間は嬉しさが爆発した一方で、安堵感もありました。ファン、チーム、オーナーに感謝した瞬間でした。本当にレースっていいな、楽しいなという純粋な気持ち。それと日本で見てくれているかな、と。震災のこともあり、レースを続けていいのだろうかと考えていた時もありましたので。沢山の方が復興活動に取り組んでいることに刺激を受けて、国内で戦うアスリートにも勇気をもらっていました。今回、良いニュースを日本に持ち帰る事が出来るな、と思いました。

---:インディジャパンの復活については。

佐藤:インディジャパンの復活は希望、期待していきたい。僕はとにかくいいリザルトをたたき出す事ですね。

《土屋篤司》

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