人をはねた認識があるから現場に戻る…ひき逃げで不起訴不当を議決

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昨年7月、愛知県名古屋市南区内で発生した死亡ひき逃げ事件を起こし、道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で不起訴となった30歳代の男性について、名古屋第一検察審査会が「不起訴不当」を議決していたことがわかった。議決は4月25日付け。

問題の事故は2012年7月27日の午前0時30分ごろ発生している。名古屋市南区菊住2丁目の市道(片側1車線の直線区間)で、歩道の縁石につまづいて車道側へ転倒した69歳の男性に対し、進行してきた乗用車が衝突した。

男性は近くの病院へ収容されたが、胸部強打などが原因でまもなく死亡。クルマはそのまま逃走したため、警察はひき逃げ事件として捜査開始。事故から約1時間30分後に現場へ戻ってきた30歳代の男性が「何かに当たった」と供述したことから容疑に関与したと判断。自動車運転過失致死や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。

しかし、後の聴取で男性は「何かに当たったことは間違いないが、ゴミだと思っていて、人だとは思わなかった」と供述。ひき逃げについては強固に否認していたことから、検察は自動車運転過失致死罪でのみ略式起訴し、ひき逃げは嫌疑不十分で不起訴としていた。

遺族の申し出を受け、名古屋第一検察審査会は審査を行ってきたが、男性が自ら現場へ戻ってきたことに着目。「ゴミに乗り上げたと判断したのであれば、事故現場に戻る必要はなく、人をはねたという認識があったものとみられる」と認定した。

また、事故直後の行動についても「(衝撃が加わったことを認識した場合)ミラーで後部を確認したり、車両が破損していないかどうかを確かめるのが普通で、何もしないで現場から走り去ったのは、一般的な経験則に基づく理解の範囲を超えている」と指摘。これらを理由に「男性には人をはねた認識があったものと考えられる」として不起訴不当を議決している。

《石田真一》

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