ボルボのCセグメントモデルとして登場した『V40』。標準モデルに続いて、Rデザインが登場。そして今回、クロスカントリーT5 AWDが追加された。クロスカントリーの名前からも想像できるように、車高をアップしSUV的な要素を盛り込んだモデルとなっている。
搭載されるエンジンはRデザインと同じ2リットルの直列5気筒ターボで213馬力を発生。ミッションも同様でSモード付きの6速。タイヤはRデザインが225/40R18なのに対し、クロスカントリーは225/50R17となる。もっとも異なるのはRデザインがFFであるのに対し、クロスカントリーは4WDの駆動方式を採用すること。
Rデザインはペースを上げていくとホットハッチのようにキビキビした走りが楽しいが、クロスカントリーは30mm高い車高や前後に振り分けられる駆動力の関係などもあり、動きがゆったりとしているためホットハッチ的なキリッと感はない。
かわりに乗り心地はよく、タイヤに厚みがあることで段差乗り越え時のショック吸収もいい。じつは3人乗車ができたのだが、乗員が増えた状態でも足まわりがしっかりと動き、乗り心地を確保しつつハンドリングにも悪影響があまり出ていない。
ミッションにはスポーティドライブを可能にするSモードが用意されている。Rデザインでは楽しい走りを実現するのに不可欠だったSモードだが、クロスカントリーとの相性はイマイチ。クロスカントリーはRデザインのようにヒュンヒュン走るのは似合わない。エンジンのトルクがグイッと強く入ると、サスが余計な動きをしてしまうので、Sモードではなく標準状態で走ったほうが走りやすい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。