英国の高級スポーツカーメーカー、アストンマーチンがレース用に開発した『ラピードS』の水素燃料車。同車が、ドイツ・ニュルブルクリンクを走行した初の水素燃料車になったことが分かった。
これは、アストンマーチンが発表したもの。ラピードSの水素燃料車が4月末、ドイツ・ニュルブルクリンクで行われた4時間耐久レースにテスト参戦。テストは無事に完了し、アストンマーチンは、「ラピードSがニュルブルクリンクを走行した初の水素燃料車になった」と発表している。
ラピードSの水素燃料車は、ドイツで5月19日に開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レース用に開発された1台。エンジンをツインターボ化した上で、ガソリン、水素、その両方の3種類の燃料に対応させたのが特徴。350 barの圧縮水素タンクには、合計で3.5kgの水素を貯蔵。圧縮水素タンクは2個搭載され、ひとつは助手席、もうひとつはトランクにレイアウトした。
排気量5935ccのV型12気筒ガソリンエンジンは、市販車状態で最大出力558ps/6750rpm、最大トルク63.2kgm/5000rpmを発生。水素燃料車はツインターボ化されているので、これを上回るパワーを獲得する。水素燃料車のメリットが、CO2排出量の削減。アストンマーチンによると、水素燃料使用時には、ゼロエミッション走行を実現するという。
ラピードSの水素燃料車のニュルブルクリンク・テスト参戦は、同社のウルリッヒ・ベッツCEOが担当。同CEOは、「4時間耐久レースで速さを証明できた。今後も開発を進め、ニュルブルクリンク24時間耐久では、ゼロエミッション車として完走を目指す」とコメントしている。