埼玉県にある自動車教習所ファインモータースクールは5月11日、創立50周年を記念したイベント「大学生とクルマの祭典 GOGO!クルマフェスティバル」を開催。クルマ離れが進む若者達に向け、クルマの価値と魅力、エコドライブの安全性や楽しさを伝えるイベントであった。
同イベントの企画を担当したファインモータースクール営業企画室の須澤素朗室長に、最近の若者の免許取得における傾向や自動車教習所事情を聞いた。
免許取得年齢の高年齢化、都市部の取得率低下
---:若者のクルマ離れとよく言われますが、若者の免許取得における変化はありますか?
須澤氏(以下敬称略):免許を初めて取得される方の平均年齢が年々上がってきています。昔は高校在学中や卒業したらすぐに免許を取得される方が多かったのですが、現在では高校を卒業してもすぐに免許は取らず、大学で就職活動を始めようといった時、いざ就職に免許が必要だということで、あわてて免許を取得される方もいられます。
---:若者が免許をあまり必要としない理由というのは?
須澤:地域によって違いがあると思います。ファインモータスクールも上尾、大宮、指扇と3校展開してますが、この中でも大宮では電車やバスなどの公共交通機関が発達しているので、若者の免許取得率は低くなっています。大宮ですとクルマがないと生活ができないといった環境ではないので、免許を取る必要性を感じられないことから取得率が下がる傾向にあるのかもしれません。実際に都心にいくほど若者の免許取得率は下がっているという調査結果も公表されています。
少子化で教習所も二極化へ
---:少子化で教習所間の競争も厳しくなると思いますが。
須澤:初めて免許を取得する平均年齢が上がっていることから、大学の生協等で教習生を募集する教習所は比較的活況なのですが、地元で教習生を募集する教習所では人が集まりにくいというのが一つの傾向としてあります。
---:教習所も価格競争になってしまうのでしょうか?
須澤:差別化のポイントとしては、価格が一番解りやすいものになるかと思います。しかし、我々としては皆様に評価して頂ける内容のものを適正な価格で提供していこうという考えでやっていまして、もっと当教習所を選んで頂けるよう商品面での差別化として、エコドライブ教習を取り入れました。2008年の開始からもうすぐ5年になりますが、環境配慮への意識の高まりとともに徐々に認知度が上がってきています。
オートマとマニュアル、『86』の効果は?
---:一方で、現代の若者にもマニュアルで免許を取りたいクルマ好きはいると思います。ATとMTの比率は?
須澤:当教習所での実績ですが、現在のところ、マニュアル車で免許を取られる方は、全体の約3-4割になっています。女性では約9割、男性でも約5割の方がAT限定で免許を取られています。
---:トヨタ『86』の影響で、メーカーではマニュアル車を導入する傾向も現れていますが?
須澤:現在のところ、マニュアル車で免許を取られる方が増えていると感じることはありません。実際に販売されているクルマのほとんどはオートマ車ですし、実家や自宅にあるクルマが運転できればいいので、マニュアル車に乗りたい場合は後から限定解除すればいい、そのように考えられているのかもしれません。