東京汽船が発表した2013年3月期の連結決算は、経常利益が前年同期比5.4%増の9億0800万円と増益だった。
売上高は同3.3%増の127億5300万円と増収となった。
曳航事業は、横浜・川崎地区で入出港船舶数の減少に伴って、コンテナ船、自動車専用船への曳船作業数が減少したものの、作業単価の上昇があり売上高は横ばいだった。千葉地区は、プロダクトタンカー、鉱石船を中心に入出港船舶数、作業数共に増え、売上高は増加した。横須賀地区では、船舶の入出湾数はコンテナ船が大きく減少したもののLNG船が高水準に推移したため、売上高は微増だった。
コンテナ船主体の東京地区は、入出港船舶数、作業数が減少、売上高も減少した。海難救助関係の大きな作業が重なったことが全体の増収に寄与した。
旅客船事業は、久里浜・金谷間におけるカーフェリー部門では、震災で大きく落ち込んだ利用客は回復に転じたが、房総地区での風評被害が長期化したことや、期の後半に荒天での欠航が多かったことで、震災前水準に届かなかった。
横浜港の観光船部門では、震災後の団体客の落ち込みが回復せず、加えて東京スカイツリー開業による東京への観光客集中が痛手となり売上高は微増にとどまった。交通船部門は、湾内高速艇運航受託船1隻が曳船事業部門より移管されたことにより売上高が増加した。
収益では、曳航事業が増益となったことなどから、営業利益は同15.1%増の6億0600万円と増益となった。当期純利益は同27.9%増の6億1400万円となった。
今期の通期連結業績見通しは、売上高が同1.6%減の125億4400万円、営業利益が同17.2%減の5億0100万円、経常利益が同12.6%減の7億9400万円、純利益が同7.6%減の5億6700万円となる見通し。