三菱自動車の水島製作所(岡山県倉敷市)で5月20日、同社と日産自動車が共同開発した軽自動車のオフライン式のセレモニーが行われた。その席で挨拶にたった三菱の益子修社長は従業員に対し、厳しい表情で“喝”を入れた。
「自分で生きる道を考えなくてはダメだ。誰も助けてくれないんだ。挑戦するという気持ちを今後とも持つ続けてもらいたい。待っていては何も解決しないということを心の中に強く持って欲しい」
水島製作所は今年創業70周年を迎える。その歴史の中で50年以上にわたって軽自動車をつくり続けてきた。しかし、ここ数年間は円高の影響で、水島製作所の生産台数は減少した。
そういうなかで、益子社長は常々「海外の工場に品質とコストで勝てる工場にしなければ明日はない」と言ってきた。今回、日産自動車との共同開発の軽自動車を生産するにあたり、改めてそのことを従業員に自覚してもらいたかったわけだ。水島製作所が活性化すれば、三菱自動車全体が元気になる。益子修社長にはそんな強い思いがある。