【INDYCAR 第5戦】インディ500、ホンダ10連覇ならず…琢磨は粘りの走り

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インディ500、佐藤琢磨(車番14)は13位に終わった。写真:IndyCar
インディ500、佐藤琢磨(車番14)は13位に終わった。写真:IndyCar 全 12 枚 拡大写真

インディカー・シリーズの今季第5戦であり、今年で97回目を迎えたアメリカ伝統のモータースポーツイベント「インディ500」。26日の決勝を制したのはベテランのトニー・カナーンで、悲願の初優勝を達成。佐藤琢磨は13位、ホンダは10連覇を逃した。

予選トップ10独占のシボレー勢チームが上位を占め続け、頻繁に順位を入れ替えつつ推移した約800kmの決勝レース(200周)。その命運を決したのは、残り3周という状況で迎えたレース・リスタート、まさにその瞬間だった。

首位ライアン・ハンターレイ(#1 Andretti Autosport/シボレー)の背後から鋭く飛び出したカナーン(#11 KV Racing Technology/シボレー)がトップに立つ。この段階でのトップ奪取は、その後のスリップストリームの使い合いを考えると必ずしも決定打になるとは思われなかったが、直後のタイミングで後続にクラッシュが発生! レースは再びイエローコーションによる隊列走行となり、そのままの状況でチェッカーを迎えることに。38歳カナーンのインディ500初優勝は、劇的な“瞬間決着”であった。

04年にはシリーズチャンピオンとなるなど長きに渡って活躍、かつてはセブンイレブンカラーのマシンでもお馴染みだったカナーンだが、大舞台インディ500での勝利にだけは縁がなかった。「今まで何度も、自分は(今回の)ハンターレイのような立場にあった。だからこそ、あそこでトップを獲る必要がある、と思ったんだ。リスタート直後は、再びイエローコーションになる確率が高いんだからね」と語るカナーンにとって、積年の夢叶う、まさに大願成就の勝利であった。

2位に入ったのは、やはり最後のリスタート時にハンターレイをかわしていた初参戦のカルロス・ムニュス(#26)。3位はハンターレイ、4位にもマルコ・アンドレッティ(#25)が続き、Andretti Autosportは2~4位を占めた。ホンダ勢の最上位は5位のジャスティン・ウィルソン(#19 Dale Coyne Racing)。ホンダはワンメイク時代も含むとはいえ、04年から9年連続でインディ500優勝エンジンの栄誉を保持していたのだが、シボレーにその座を明け渡した。03年もトヨタが優勝しており、日本メーカー以外のエンジンが優勝したのは02年のシボレー以来11年ぶり。

佐藤琢磨(#14 AJ Foyt Racing/ホンダ)の最終結果は13位。予選18位から次第にポジションを上げ、早い段階でトップ10圏内に進出していたのだが、57周目のスピンで大きく後退してしまった。終盤に再度の順位上昇を見せたものの、13位まで。琢磨は「序盤のハンドリングは良かったが、次第に良くなくなってしまい、他車の後ろに入るとマシンの動きが神経質な感じになった。厳しいレースだった」と振り返る。これで、前戦終了段階ではトップに立っていたシリーズポイント争いでも2位に後退。しかし首位アンドレッティとの11点差は、まだまだシーズンは先が長いことも含め、ごく僅少差である。シリーズチャンピオン奪取に向けての戦いはこれからが本番だ。

最大イベントは幕を閉じたが、シリーズは怒濤の連戦モードとなる6月に突入。まず次戦は6月1~2日のベル・アイル戦(ミシガン州デトロイト)で、今季最初のダブルヘッダー(土日それぞれで決勝レース実施)として開催される。「チャンピオン争いはますます熾烈になる。シリーズ序盤戦の勢いを保って、6月の連戦を戦っていきたい」と語る琢磨の反撃に期待したい。

《遠藤俊幸》

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