【人とくるまのテクノロジー13】アイドリングストップ車専用、キャパシタ内蔵の鉛バッテリー

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古河電池 エクノIS
古河電池 エクノIS 全 3 枚 拡大写真

古河電池はアイドリングストップ車専用の鉛バッテリー『ウルトラバッテリー エクノIS』のラインナップを出展した。

エクノISは、鉛蓄電池にキャパシタを内部に組み込んだもので、内部の負極にキャパシタが貼り付けられている。戦略企画室の河口祐太朗氏は、「アイドリングストップ車の場合、充電不足の状態で長時間使われることが多く、鉛バッテリーには過大な負担がかかる。化学反応を伴わず、電化の吸脱着により充放電するキャパシタは急速充電に強く、充放電による劣化がない。一方、鉛バッテリーは高容量で大電流放電に強いが急速充電に弱く、劣化もすることから、キャパシタでこの弱点を補える」と説明する。

気になる効果だが、同社の調査によると80%充電状態での使用を想定したDCA(Dynamic Charge Acceptance)試験で同社の従来品鉛バッテリーと比べて、およそ2台の寿命を達成したという。なお、エクノISに使われるキャパシタは、安全性の高い水系電解質が使用されているため爆発や過熱の危険性はないとのこと。36ヶ月または6万kmの製品保証が付けられる。

これまでQ-85のみが発売済みだったが、M-42/N-55を8月に、S95は10月をメドに発売される予定だ。

川口氏は「現状、エクノISはカー用品店などのアフター向け販売のみだが、純正採用への働きかけもカーメーカーに対しておこなっている」とのこと。アイドリングストップ車の一部には鉛バッテリーとは別にキャパシタを搭載したり、あるいは鉛バッテリーを2台搭載するなどの解決法を取っているが、「それでは設置場所がかさばり、コントロール系統も必要になるため、コスト面で不利。エクノISならばキャパシタを内蔵してはいるが、ターミナルやサイズは既存の鉛バッテリーと同じなのでメリットは大きいはず」(川口氏)と製品メリットを訴求した。

なお、アイドリングストップではない車両の鉛バッテリーをエクノISとリプレイスしても「急速の充放電をおこなわないため効果はほとんどない」(川口氏)とのことだ。

《北島友和》

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