タイ深南部支配の象徴、パヤタニ大砲の模型爆破
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パヤタニ大砲はイスラム王国だった当時のパタニーの象徴で、1786年、パタニーに侵入したタイ軍により持ち去られた。現在はバンコクのタイ国防省前に置かれている。
複製はタイ文化省が約300万バーツを投じ製造し、今月2日にクルセモスク前に設置されたばかりだった。
クルセモスクでは2004年、軍、警察を襲撃した武装勢力のメンバー32人が立てこもり、軍の集中攻撃を受け全員が死亡する事件が起きている。
マレーシアと国境を接するタイ深南部(ナラティワート県、ヤラー県、パタニー県の3県とソンクラー県の一部)には、もともとイスラム教のパタニー王国があった。1902年にタイに併合され、タイ政府が同化政策を進めてきたが、現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語を話せない人も多い。タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域で、行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
こうした状況から、深南部ではタイからの分離独立運動が断続的に続いた。2001年からは武装闘争が本格化。2004年4月には、警察派出所や軍基地を襲撃した武装勢力をタイ治安当局が迎え撃ち、1日で武装勢力側108人、治安当局側5人が死亡した。同年10月にはナラティワート県タークバイ郡で、住民の逮捕などに反発したイスラム教徒住民約3000人が警察署前で抗議デモを起こし、治安当局による発砲などで7人が死亡、約1000人が逮捕され、逮捕者のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。
タイ政府は両事件後、常時10万人以上の兵士、警官を深南部に送り込み、力で鎮圧を図ってきた。しかし、現在も連日、銃撃、爆破、放火事件が起き、事態が改善するめどは立っていない。武装勢力と治安当局の抗争による死者は2001年からこれまでに約6000人。分離独立運動に関与する住民は2万人以上に上るとみられている。
《newsclip》
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