60km/hから緊急停止可能な追突軽減プリクラの効果は

自動車 テクノロジー 安全
レクサス IS のプリクラッシュセーフティシステム体験
レクサス IS のプリクラッシュセーフティシステム体験 全 3 枚 拡大写真

新型レクサス『IS』にはさまざまな安全装備が用意されている。

レーダーによる周辺監視や歩行者との衝突時に衝撃を和らげるポップアップフード、ナビによる逆走注意案内などの安全装備が装備されている。そのなかでも注目のプリクラッシュセーフティの試乗が行えたので報告しておく。

トヨタの自動ブレーキシステムは完全停止しないので、「止まる」という表現をしていない。しかし、現実的には「止まる」といって問題ないことが、試乗を通してわかった。

試乗は特別に設けられたコースで先行車に見立てたクルマのダミーに向かって、追突を再現するというもの。まずはマイナス2m/s(0.2G程度)の軽い減速度がおきるように、ブレーキペダルに足を乗せながらダミーに向かっていく。限界までダミーに近づいたと思った瞬間に、強い減速Gが発生してクルマがほぼ停止状態となる。このときブレーキペダルが吸い込まれていくような感覚が右足に伝わる。

多くのプリクラッシュセーフティシステムは、ドライバーがブレーキペダルを踏んでいると、止まろうという意志があると判断して、強いブレーキを掛けることを行わないが、このプリクラッシュシステムは、ドライバーがブレーキを踏んでいても、危険と判断すればブレーキを掛けてくれる。

さらに同様の状況でまったくブレーキを操作せずにダミーに突っ込んでいくと、今度も強いブレーキでほぼ停止状態まで減速する。どちらの場合も最初にアラームとディスプレイでドライバーにブレーキを踏むことを促してからの作動となる。

完全には止まらないが、そうした状況になればさすがに焦ってブレーキを強く踏み、結局最後にはドライバーの意志で完全停止となるので、かなりの確率で安全は確保できるはず。このシステムは60km/hまででの作動となるが、追突事故の90%は60km/hまでの低速で発生しているという。つまり、ほとんどの追突事故をこのシステムで回避できるというわけだ。

このプリクラッシュセーフティシステムは全車にオプションで設定。価格は6万3000円で、これを装備するとクルーズコントロールがブレーキ制御付きのレーダークルーズコントロールに変わる。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  3. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  4. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
  5. 中古車の『ヴォクシー』『ノア』をトヨタがカスタム、「URBANATURE」シリーズ初出展へ…東京アウトドアショー2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る