【レクサス IS ハイブリッド 試乗】本気で味わうならHVは勧めません…岩貞るみこ

試乗記 国産車
レクサス IS
レクサス IS 全 3 枚 拡大写真

ハイブリッドに期待するものは、燃費だろう。もしくは静けさとか。クリーンなイメージで、環境に気遣う自分を演出する材料として重宝することもある。そういう意味では、レクサス『IS』のハイブリッドは最悪である。

確かに、ふつうに走っていれば、燃費はいい。アイドリングストップもするから、気分もいい。モーターがすっとアシストする加速感も、心地よさすら感じる。

しかし、ISなのだ。スポーティに乗りたいのだ。しかも今回のIS、ボディがめちゃくちゃいい。国産車としては絶品といえるほど、アラフィー女子にすらわかるほど、ボディがしっかりしている。ボディのよさは、そのままサスペンションのよさをひきたて、ひいてはキレのあるしなやかな走りへとつながる。んじゃ、もう少し、とばかりに、アクセルを踏みたくなるのだ。いや、「踏め」とばかりにけしかけてくるから困るのである。

なにが困るって、せっかくのハイブリッドが台無しなのだ。もう、アクセル、踏んじゃって踏んじゃって、エンジン音のうるさいことといったら。直列4気筒って、こんな音だったっけ? と、いちいち車内に入り込んでくる音が耳障りなことといったら。上品も上質も木っ端微塵という感じ。そして出てくる燃費計の数字はひどい結果で、これ、V6エンジンと変わらないじゃん状態。アクセル踏まなきゃいいのにと言われそうだが、それは無理。ISは童話「赤い靴」よろしく、一度、ステアリングを握ったら、攻めの姿勢でアクセルを踏みつづけてしまうのだ。

ハイブリッドという聞こえはいいけれど、本気でISを味わうなら、ハイブリッドは勧めません。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  2. アップガレージ、姫路にライダース店併設…9月5日オープン
  3. 車内が即ネット空間に! 新型USB型Wi-Fiルーターがドライブを変える[特選カーアクセサリー名鑑]
  4. ついに「パジェロ」の名前が日本復活!? 三菱の新型SUV、デザイン&スペックを大予想!
  5. 「所有欲がそそられる」色彩を一新したネオレトロな『W230』が話題に、ライダーからはある要望も?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る