アリアンスペース社事業報告書を発表…ロケット打ち上げ事業を支える従業員の福利厚生にも言及

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旧ソ連開発のソユーズロケットを中型ロケットとして採用。ギアナ宇宙センターからの打ち上げも可能に。
旧ソ連開発のソユーズロケットを中型ロケットとして採用。ギアナ宇宙センターからの打ち上げも可能に。 全 4 枚 拡大写真

7月2日アリアンスペース社は、今年4月に就任したステファン・イズラエル新CEOのもと、初となる『Sustainable Development Report(持続的発展レポート)』を発表した。

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報告書は、「従業員の専門職業意識と責任」「顧客、パートナー、株主、サプライヤーとの親密な連携」「地球と宇宙の環境保護」の3章からなる。

「従業員の専門職業意識と責任」の章では、従業員の技術レベルがアリアンスペース社の事業方針に沿って教育機会を与えられて発展し、適切なキャリアパスに沿った地位を得られること、会社の成功が報酬に反映される方針などを表明。適材適所を実現するためのキャリアインタビューを実施し、2012年は97パーセントの従業員がこのインタビューを受けたという。また、女性エンジニア、管理職の割合は2012年で24.2パーセント、男女の賃金の調和にも配慮するとしている。職場環境に配慮し、フランス本社では食堂や休憩所の増設についても触れた。

「顧客、パートナー、株主、サプライヤーとの親密な連携」では、最大の株主はフランス宇宙機関CNESであり、アストリウム社を筆頭とする欧州宇宙産業界の20社としている。設立にあたっては、欧州宇宙機関ESAが作成した文書により、長期的な存続と財政支援が保障されている。2010年にESAはアリアンスペース社によるロケット運用の長期的支援を承認しており、確実な打ち上げを約束しつつ事業を継続できるとの表明だ。設立からこれまで、81の顧客に対しアリアンロケット212機、ソユーズ30機、ヴェガ2機での打ち上げを行ってきた。打ち上げ本拠地であるフランス領ギアナでは、9000の雇用を生み出し、同地での雇用の16パーセントを担っているという。

「地球と宇宙の環境保護」の章では、ロケット輸送における排出物削減やISO14001環境マネジメント規格取得を地球上の環境保護に向けた取り組みとしている。宇宙ゴミ(スペースデブリ)削減にあたっては、人工衛星を切り離した後のロケット上段ステージの大気圏再突入を行っている。また、CNESと協力してロケット上段ステージが軌道上に衝突の危険性がある場合、打ち上げを禁止する、脱出軌道へ入るようにするといった技術を実装しているとのことだ。

アリアンスペース社は1980年設立された世界初の商業打ち上げ会社。フランス・パリ近郊のエヴリに本社、フランス領ギアナにロケット射場・ギアナ宇宙センター、アメリカ・ワシントンDC、シンガポール、東京に子会社および事務所を有し、従業員は315人。2012年の売り上げは13億2900万ユーロで前年比30%増となっている。衛星打ち上げロケットは大型ロケット『アリアン5』、スプートニク1号を打ち上げた旧ソ連開発の『ソユーズ』、2012年に初号機を打ち上げた小型ロケット『ヴェガ』の3タイプ。2013年4月22日付で、元フランス生産債権大臣官房長ステファン・イズラエル氏が新CEOに就任している。

《秋山 文野》

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