東京文京区・本郷の東京大学総合研究博物館にて、夏休み特別展示『宇宙資源 Pie in the sky』展が7月20日より始まる。宇宙の資源探査に関連する展示は、地上の資源を考えるところから始まる。
「肥料でできた島」とも呼ばれ、鳥の糞が堆積してできたリン鉱石を掘るだけで豊かな国となった南太平洋の島国、ナウル共和国は20世紀中に資源をほとんど掘りつくし、世界の最貧国となってしまった。宇宙資源展を企画した東京大学・宮本英昭准教授はナウルを訪問し、その現状を視察。資源を使いつくした世界を考える一例としてパネルを展示している。
「地球の歴史を1年にすると」産業革命が起きたのは12月31日の深夜2秒前だという。2秒の間に人間はどれだけの資源を消費してきたのか、鉱床資源と地球の歴史をたどる。
地球に資源はまだあるが、利用できる形で取り出すことができて、経済的にペイする高品位鉱床は枯渇してきている。その種類と現状を知らなければ、宇宙に資源を求める意味がない。もちろん、眺めるだけでも楽しい鉱物サンプルも展示されている。