宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、7月20日に内之浦宇宙空間観測所で実施した高度70km~300kmにわたる超高層大気の観測研究を目的とした観測ロケット2機の打上げ実験に成功したと発表した。
2機のロケットの飛翔は、正常で、搭載機器は計画通り動作し、予定通り内之浦南東海上に落下した。
打上げ実験でS-310-42号機は、打上げ後72秒から240秒間にわたり、高度60~140km付近で、TMA(トリメチルアルミニウム)を放出した。
S-520-27号機は、打上げ後497秒から20秒間にわたり、高度120~100km付近でリチウムを放出した。
TMAの雲状の発光とリチウムの月光による散乱光が、地上観測点(内之浦、種子島)と航空機から観測された。
同時に、ロケットに搭載した観測機器により、電場、磁場、電子密度、電子密度擾乱の観測、地磁気と月光を利用した姿勢決定を予定通り実施した。
また、ロケットから送信されるビーコン電波を地上局で受信した。
これらの実験結果を使って今後、超高層大気領域の擾乱に関する詳細な解析を実施する。
光学カメラによるロケット追跡を、42号機は発射後37秒まで、27号機は発射後74秒まで行ったほか、高加速度で飛翔するロケットを小型GPS受信機によって測位、再捕捉した。当日の天候は晴、西の風1m/秒、気温28度だった。
今回の実験で2013年度第1次観測ロケット実験は終了する。