JR東日本は7月29日、東北地方の復興支援や地域活性化などを目的に導入するレストラン車両「Tohoku Emotion(東北エモーション)」を使用した列車を10月19日から運転すると発表した。2014年3月30日までの土曜・休日の33日間、八戸線で運転する。
「東北エモーション」は、沿線の食材を使った料理を車内で提供する「全席レストラン空間」のレストラン車両。キハ110系一般形気動車を改造した3両編成で、1号車(定員28人)は7室のコンパートメント個室席、2号車はライブキッチンスペース、3号車(20人)はオープンダイニングスペースで構成される。ライブキッチンスペースでは、調理の様子を乗客の目の前で披露する。
当面は八戸線八戸~久慈間で、各運転日1往復運転する。運行時刻は八戸11時5分頃発~久慈12時49分頃着(ランチコース)、久慈14時8分頃発~八戸15時47分頃着(デザートブッフェ)。2014年4月以降の運転日は後日発表するとしている。
乗車に際しては、乗車券と「東北エモーション」の利用をセットにした旅行商品を購入する必要がある。旅行代金は八戸駅発着の場合、オープンダイニング席のランチコース片道利用で大人7000円、子供6400円。コンパートメント個室席を利用する場合は1室3000円の追加代金が必要になる。
かつての食堂車は、運転時間が食事の時間帯にまたがることを理由に連結されていたが、交通機関の高速化により車内で食事をとる時間や必然性がなくなったことなどから、日本ではほぼ消滅している。その一方、近年は列車に乗ること自体を目的とした観光需要が増えていることから、これら観光需要の取り込みを狙った「レストラン列車」の運転が各地で増えている。