エストニア初の人工衛星 宇宙ゴミと衝突の危機

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エストニアの超小型衛星 ESTCube-1
エストニアの超小型衛星 ESTCube-1 全 2 枚 拡大写真
2013年5月7日に打ち上げられたエストニア初の人工衛星『ESTCube-1』が世界協定時8月2日4時40分(日本時間同日13時40分)、スペースデブリ(宇宙ゴミ)と衝突する可能性があるとESTCube-1プロジェクトチームが公表した。

軌道上物体の監視を行っているアメリカ戦略軍統合宇宙作戦センター(JSpOC)よりプロジェクトチームに発令された接近警報では、接近が予告されているのは、ロシアの通信衛星『コスモス2251』が2009年に通信衛星『イリジウム33』と衝突した際に生まれた破片のひとつ。南極沿岸の上空で最大200mまで接近する可能性があるという。

ESTCube-1は、10cm×10cm×10cmの超小型衛星であり、接近予測は200mと正面衝突ではない。しかし5月23日にエクアドルの超小型衛星がスペースデブリと衝突した同様の事故があった。こちらも衛星はごく小型で、衝突したのは接近警報が出されたスペースデブリ本体ではなく、その周辺を同時に飛んでいた破片と考えられている。

超小型衛星は一般的に、軌道を変更して衝突を避けるための推進機関を持たないことが多い。軌道上で起きることをリアルタイムで観測することも難しいため、衛星と通信してその「健康状態」を解析するまで何が起きたのか把握することも困難だ。プロジェクトチームは経過をfacebookのプロジェクトページで順次公表しており、結果も順次発表されるものと考えられる。

ESTCube-1は、2013年5月7日にESAのVegaロケット2号機で打ち上げられた、エストニア初の人工衛星。タルトゥ大学、エストニア航空アカデミー、タリン工科大学が共同で進めるプロジェクトでは、新型の宇宙航行技術「電気太陽風セイル」の技術実証を目指している。

世界初のソーラーセイル実証機である日本・JAXA宇宙科学研究所の『IKAROS』が膜面(セイル)に受けた太陽の輻射を利用して宇宙を航行するのに対し、電気太陽風セイルでは帯電したワイヤーを広げて、太陽からの荷電粒子を受けることで進むとしている。1号機ではまずワイヤーを宇宙で展開する実験を行う予定で、カメラによる地球の撮像など衛星搭載機器の準備を進めていた。

《秋山 文野》

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