【マクラーレン P1 技術ワークショップ】絶対の自信がにじむ、90kgの“モノケージ”

自動車 ビジネス 企業動向
マクラーレン P1 技術ワークショップのようす
マクラーレン P1 技術ワークショップのようす 全 14 枚 拡大写真

マクラーレン『P1』の基本構造体は、もちろんCFRP製モノコックだ。

マクラーレンはF1GPの世界においても、それを世界初採用したコンストラクターであり(1981年シーズン用のMP4/1がそれにあたる)、またロードカーの世界においても、1993年にあの「F1ロードカー」を発表するなど、常にこの軽量素材に関しては先駆者的な立場を果たしてきた。P1用のそれは、ウインドウフレームやルーフの一部、そして吸気用のシュノーケルや、その先に配置されるエアボックスなども含めた構造体で、マクラーレンはそれを「モノケージ」と呼ぶ。

モノケージの製作には、F1マシンと同様の最新テクニックが用いられる。プリ・プレグ・オートクレーブや、RTM=レジン・トランスファー・モールディングなどは、その代表的な例だ。単体重量がわずかに90kgというモノケージは、もちろん強度においても圧倒的な性能を有している。その優秀性は、今回のワークショップで語られた「軽量性、そして強度のいずれにおいても、同等の性能を有するモノコックは、現在ほかには存在しないはずだ」という、絶対的な自信に裏付けされたコメントからも、それを十分に伺うことができた。

P1のグラスルーフは2.4mm

ボディパネルももちろんフルカーボンだ。ウィンドウもまた軽量化が重要な開発時の要求性能となっており、グラスルーフの厚みはわずかに2.4mm、ほかのウインドウスクリーンには3.2mm厚のガラスが使用されている。ちなみに『MP4-12C』のそれは4.2mm厚であったから、ここからもP1がいかに特別なモデルであるのかは想像できよう。

前後のサスペンションは、MP4-12Cで採用された、プロアクティブ・シャシー・コントロールをさらに進化させた、「RCC=レースアクティブ・シャシー・コントロール」。これはスプリングレートや車高などを、ドライバーが選択した走行モードや、実際の走行状況に応じてアクティブに制御するもの。4輪はアクチュエーターによって各々に独立してコントロールされ、さらにロールコントロールに、一般的なスタビライザーを使用していないのも、MP4-12Cと同様である。

レースモードのロール剛性はノーマルの3.5倍

マクレーンによれば、ドライバーが「レース」モードを選択した時には、そのロール剛性は「ノーマル」との比較では、3.5倍にも強化されるという。P1のサスペンションは、さらにオートマチックの車高調節機能を持つほか、乗員や搭載燃料の量に応じて4mmの幅で車高を調節する、セルフレベリング機構も導入されている。

前後のタイヤは、フロントが245/35ZR19、リアが315/30ZR20サイズのピレリ製Pゼロ・ロッソコルサ。もちろんこれもP1のために専用開発されたものだ。スポークデザインのホイールは、フロント用が7.94kg、リア用が9.72kgと、これも軽量性を最大の特長とするもの。デザインは1タイプのみだが、カスタマーはシルバーとステルスフィニッシュから、好みのカラーを選択できるという。

《山崎 元裕》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る