デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)は、米国、欧州および日本における2025 年の燃料電池自動車(FCV)について、市場規模や普及台数等について予測した。
DTCが米国、欧州および日本について、2025年のFCVの市場規模を予測した結果、世界全体のFCV販売台数は約180万台、年間の市場規模は約5兆3000億円になることがわかった。
まず日本は20万台が見込まれるが、規制改革などの積極的な追加政策がなければこの規模に留まるとしている。
次に米国は、環境規制先進州であるカリフォルニア州における普及と取り組みに加え、先進クリーン自動車プログラムやシェールガス革命に伴う副生水素活用促進等が普及のカンフル剤となり、米国全ての州に波及する。
また、欧州では、再生可能エネルギーの出力変動リスク軽減を狙う動きと同調し、水素社会実現に積極的なドイツに加え、英、仏、伊、西でも市場が拡大する。
新興国での普及は見込まれないが、中国では各次5か年計画において水素・燃料電池の研究開発に取り組んでおり、2020年頃から普及が始まる可能性がある。
市場規模については、米国および欧州でのシナリオが成立しない場合は3兆6000億円まで落ち込む可能性がある一方で、中国の普及が開始すれば5兆9000億円まで伸びる可能性もあるとした。
一方、FCV普及には水素流通インフラの普及が重要なファクターとなるが、FCV普及台数の予測を達成するためには、全世界で水素ステーションが約3100基必要となる。
2025年のFCV年間販売台数約180万台のうち、日本は20万台にすぎず、日本がFCV市場において国際競争力を持つためには、水素社会構築に向けた政策の実行、中央政府、地方自治体、産業の連携が不可欠となるとしている。