マレーシア航空(MAS)の民営化案が浮上しているが、ナジブ・ラザク首相は19日、その意向はないと言明したことを、マレーシアの英字紙「ザ・サン」「ザ・スター」などが報じている。
MASの民営化案については、前日にマハティール元首相が支持を表明していたばかり。
ナジブ首相は、MASが現在黒字化に向けた計画に取り組んでおり、回復の兆しを見せ始めていることを民営化を行わない理由として挙げた。 ナジブ首相は「まだ赤字を計上しているが、損失額は減少している」と指摘。どの事業でも同じであるように黒字化まで時間が必要であると述べ、そのうちに業績を回復させるだろうと期待を示した。
民営化案を支持する考えを示したマハティール・モハマド元首相は、MASのような政府系企業(GLC)が財政難に直面した際に政府による支援を受けられると期待しているため改善に熱心でないのが現状であるとし、民営化によりMASが利益優先型の企業に生まれ変わることができるとの見解を示していた。
マハティール氏の発言を受けてMASの株価は19日、3.5セン上昇の36.5センとなった。しかしナジブ首相が民営化案を否定したことで、株価が急降下した。