JR北海道の運転士、「北斗星」けん引機のATSスイッチを破壊

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寝台特急『北斗星』。札幌~函館間では写真のDD51形ディーゼル機関車が2両で客車をけん引している。
寝台特急『北斗星』。札幌~函館間では写真のDD51形ディーゼル機関車が2両で客車をけん引している。 全 1 枚 拡大写真

寝台特急『北斗星』回送列車の運転士が自動列車停止装置(ATS)のスイッチを破壊したと報じられていた件についてJR北海道は9月17日、その経緯を正式に発表した。

発表によると9月7日16時49分頃、上野行き寝台特急『北斗星』(札幌17時12分発)となる車両が回送列車として札幌運転所(札幌市手稲区)を発車する際、非常ブレーキが作動して停止した。

『北斗星』は、札幌~函館間ではDD51形ディーゼル機関車が2両で客車をけん引しており、この日もDD51 1100(先頭)とDD51 1143(後方)の2両が客車11両をけん引する編成を組んでいた。機関車2両で運転する場合、本来は後ろ側の機関車のATSスイッチを切らなければならないが、運転士は発車前の点検時にスイッチを切るのを忘れていたため、非常ブレーキが作動した。

運転士は非常停止を受けて検修職員が点検を行う前にATSスイッチを切り、スイッチの切り忘れも報告しなかった。その後、検修職員の点検によって異常が認められなかったことからATSの誤作動と判断し、前後の機関車の交換を行った上で発車することになった。これにより『北斗星』は1時間15分遅れで札幌駅を発車した。

この交換作業を行っている間、運転士はスイッチの切り忘れを車両故障に見せかけるため、DD51 1100の前側ATSスイッチを足で蹴り、さらに備え付けのハンマーで破壊。新たに先頭の機関車となったDD51 1143についても、発車の際に後ろ側ATSスイッチをハンマーで破壊した。

『北斗星』が函館駅に到着後、東室蘭駅で交代した別の運転士が同駅構内での入替中にATSスイッチが壊れていることを確認。これを受けて函館運輸所で調査するとともに札幌運転所出発時の運転士から継続して事情を聞いたところ、運転士によるスイッチの破壊が判明したという。

《草町義和》

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