何気に「いいね!」と思えたのが、実はベーシックな1.3リットル車だった。気取らない普段使いにピッタリのクルマといえばいいだろうか。
乗り味がしなやかな点は、このクルマの美点のひとつ。標準装着の175/70R14 84Sタイヤ(DUNLOP ENASAVE EC300)+スチールホイールはバランスがよく、ごく自然にフラットな乗り味を保ってくれ、路面の凹凸も軽くいなす。2代目フィットも初代に較べ、乗り心地が格段に進化していたが、その2代目をさりげなく上回る洗練度、スムースさ、安定感の高さが感じられた。走行ノイズ、振動も耳障りではなかった。
1.3リットルiーVTECエンジン(100ps/12.1kg-m)もスペック以上の実用度。CVTとの組み合わせだが、アクセル操作に従順にパワーとトルクを発揮。必要に応じてシフトで「Sレンジ」を選べば、高速走行時のレスポンスも問題ない。ECONモードも備え、最新のパワートレーンらしく、いかにも高効率そうで走りもシッカリさせた仕事ぶりだ。
Fパッケージなら後席が多機能になり、スマートキーほか装備も充実。プレーンで使いやすそうなクルマである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。