リーフが「自動運転」と言えないわけ…自動運転車両の法的・社会的課題

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リーフを前に囲み取材を受ける浅見孝雄常務執行役員
リーフを前に囲み取材を受ける浅見孝雄常務執行役員 全 6 枚 拡大写真

日産自動車が10月1日からのCEATEC JAPANで走行デモを行うリーフは、報道資料などによると「高度運転支援技術を搭載した自動運転を目指した車両」というような記述になっている。なぜ、直に自動運転と言わないのだろうか。

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この質問に関して、26日の報道発表会(CEATEC JAPANでのデモ走行および実証実験のためのナンバー取得)の席で、日産自動車 常務執行役員 浅見孝雄氏が興味深い見解を述べていた。それによると、「現行の法律では、車の手放し運転や無人運転が認められていないため」だそうだ。あくまで「高度に運転を支援するシステム」であって自動運転のためにナンバー交付したのではないということが想像される。

しかし、だからといって政府や関連省庁がまたぞろ杓子定規な規制を押し付けているわけではなさそうだ。浅見氏によれば、国交省他省庁も、この技術開発は「チャンスである」と考えており、ナンバー交付や実証実験について非常に理解を示してくれているという。日産は2020年に向けて実用化を目指すとしているが、オリンピック会場や選手村でのコミューターとして自動運転カーの活躍を期待する意見もでていた。

余談だが、今回ナンバーを取得したリーフは、自照式ナンバープレートとなっているが、これは、リアバンパーにレーザーセンサーを取り付けたため、保安基準で定められたライセンス灯をつけられなかったからだそうだ。

このように、自動運転には技術的な課題以外にもいろいろな問題が存在する。どんな課題があるのか、その議論はいまから始めるべきだろう。なお、以下で取り上げる「自動運転」は文字通りの意味で、リーフに実装されようとしている技術そのものの問題や課題ということではないので注意してほしい。

いちばんの問題は、完全な自動運転の走行に対してだれが責任を持つかという問題だ。事故を起こしたとき、その責任はメーカーだけに押し付けるべきなのだろうか。車の持ち主だろうか。乗っていた人だろうか。製造者責任法、道路交通法、刑法含めた議論や法整備は避けられない問題だ。

また、法的に整備がされたとしても、実際に人身事故になった場合、被害者はだれに感情をぶつければいいのだろうか。これは、自動運転に限った問題ではないかもしれないが、議論やコンセンサスの形成には時間を要する問題である。

関連して、保険の問題もある。自動運転の車の保険の料率、賭け金はどうあるべきか。これに関しては、エアバックなどの装備でメーカー、保険会社などが研究・蓄積したデータによって合理的な特約が設定できたように、運転支援システムや自動運転についても同じスキームで解決できる可能性があるという(電子技術開発本部 二見徹氏)。

なお、グーグルが開発し路上試験を行っている無人カーも実は事故を起こしている。1件は本社近くでマニュアル操作のとき、もう1件は信号停止中に追突されたときだそうだ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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