国土交通省、気仙沼市の造船産業復興を支援するため海事局職員を派遣

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国土交通省海事局は、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた気仙沼市の造船産業の復興を促進するため、10月から海事局の職員を気仙沼市役所に派遣すると発表した。造船産業の専門家が市と協力して計画を進めることにより、復興を加速する。

東北の漁船の建造・修繕の中心地である気仙沼市では、大震災により壊滅的な被害を受けた造船所を集約化して経営体質を強化する復興プロジェクトが進行している。今回の海事局職員の派遣は、漁船を中心とした造船産業の復興を促進するため、気仙沼市から応援要請があったのに対応するもの。

気仙沼市の漁船建造・修繕造船所は、部分的に操業を再開しつつも、震災前の状態に復旧することが困難な状況。このため、気仙沼地区の造船所5社と関連事業者12社が、新たに造船施設を建設し、共同で事業を行うことを計画しており、今年4月に協同組合が設立された。

国交省では、気仙沼地区を含めて、地域の水産業を担う地元造船産業の復興を促進するため、集約により経営基盤強化を目的とする施設整備に必要な資金を補助する制度を設けた。この造船復興補助金は、日本財団に基金を設置し、申請・審査の過程を経て対象となる事業に交付されるもので、補助金総額は160億円。

気仙沼市は、造船復興補助金の対象とならない用地取得などについて復興交付金(津波復興拠点整備事業)を活用することを準備している。造船復興を早期に実現するため、復興交付金や造船復興補助金申請のための計画策定、地元関係者などとの調整を短期間で行う必要がある。

このため、気仙沼市は国交省海事局に応援を要請した。造船産業を所管し、造船復興補助金を担当する海事局は、この要請に応え、10月1日付けで気仙沼市に海事局職員を出向させることにした。

一方、東北地域の基幹産業である水産業のインフラとして、漁船の建造や修繕を行っていた造船所のうち、全37造船所が被災し、建屋、クレーン、船台などの施設が壊滅的被害を受けた。複数の地区で、造船復興補助金を活用した復興プロジェクトが進みつつあり、東北運輸局海事振興部は、補助金申請を含め、これらのプロジェクトを支援している。

《レスポンス編集部》

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