【CEATEC13】精彩欠く半導体・家電、加速する自動車シフト

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EVがCEATECに展示されるのはむしろ必然
EVがCEATECに展示されるのはむしろ必然 全 8 枚 拡大写真

 5日まで幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2013」は、アジア最大級のITおよびエレクトロニクスの総合展示会と謳われている。しかし、ここ10年、日本の半導体業界、家電業界の不調・不況により以前ほどの活気が失われてきているという意見があるのも事実だ。

 しかし、今年のCEATECは、新しい取り組みや展示内容の変化を感じさせるものとなっている。ひとつは、10月、11月に開催が控えている「ITS世界会議 東京 2013」と「第43回東京モーターショー 2013」と連携したイベントとして開催されたことだ。もうひとつは、イベント連携に伴い、CEATECでの自動車関連技術の展示が強化されたことだ。

 これまで、CEATECというと、家電メーカーは新型テレビをこぞって発表し、端末メーカーは秋冬モデルの携帯電話を競って展示していた。PCもさまざまな新型モデルが展示されていた。今年は、それらに変わって、自動車メーカーや自動車関連技術の展示が増えていると、会場で感じた人も少なくないだろう。日産自動車の自律走行リーフを筆頭に、トヨタ、ホンダの次世代コミューターやHEMS、スマートシティ関連の展示、ITSに関連したセンサーや通信関連技術、EV等の非接触充電技術、テレマティクスや車内ネットワークの統合技術などだ。

 かつての家電メーカーや携帯電話メーカーの輝きを忘れられない人には、この様変わりに落胆するかもしれないが、業界や産業構造の変化と考えれば必然かもしれない。燃料噴射が電子制御化されてから、自動車とエレクトロニクスの親和性は高まっていった。現在、機構部分の電子制御が進み、カーナビやテレマティクスシステム、ハイブリッドカーやEVが一般的になりつつあり、もはや両者は一体の技術といってもよい。

 また、家電製品やコンシューマエレクトロニクスについては、平均的な要素技術のコモディティ化が進み、先進国では、設計や開発、デザインは行っても、製造・販売するビジネスメリットはなくなっている。企業戦略の本流としては、ビジネスにならない分野に拘泥する意味はない。価格競争力がほとんどである消費財の製造は新興国に譲り、よりニーズのある市場へのシフトを考えたとき、情報端末としての自動車という素材は決して悪くない。M2M、IoT、ビッグデータといった今後の技術トレンドにおいて、自動車の存在は小さくないはずだ。そして、国内だけで7600万台(自動車情報センターより)といわれるほとんどの自動車の情報化は不十分である。PC向けの業務アプリを開発するより、自動車向けの情報サービスやアプリを考えた方がよいのかもしれない。

 自動車は、人が乗って移動できるモバイルデバイスである。そんな可能性を垣間見た2013年のCEATEC。業界の動向とともに注目していきたい。

【CEATEC 2013 Vol.43】オートモーティブ+エレクトロニクスで変わるCEATEC

《中尾真二@RBB TODAY》

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