【ITS世界会議13】乗った!トヨタの自動運転技術による首都高デモ走行

自動車 テクノロジー ITS
トヨタ AHDA 先行するプリウスと車車間通信し自動運転
トヨタ AHDA 先行するプリウスと車車間通信し自動運転 全 22 枚 拡大写真

トヨタ自動車は「ITS世界会議東京2013」が開催される10月15日から18日まで、首都高速道路で自動運転技術を利用した運転支援システムを公道デモ走行で公開する。国内外からの会議出席者に同乗してもらい、運転支援技術の熟成をアピールする。

このシステムはAHDA(オートメイテッド・ハイウェイ・ドライビング・アシスト)と呼んでいるもので、通信機能をもった全車速域での追随走行技術「通信利用レーダークルーズコントロール」と、道路の白線やカーナビなどの情報をもとに最適なラインの走行を自動操舵で支援するLTC(レーン・トレース・コントロール)を組み合わせた。

筆者は9日にこの技術を搭載した車両に首都高で体験試乗した。システムの作動中、ドライバーはハンドルおよびアクセル、ブレーキ操作から解放されているのに、車間距離の維持や自動操舵などスムーズな追随走行が演じられた。システムを搭載したデモ車はレクサス『GS』をベースにしており、通信可能な先行車として用意された『プリウス』とセットで実演する仕組みだ。

走行中、後方から来たプリウスが先行位置に入ると車車間通信が始まり、追随走行する。通信は次世代ITS技術用として認可されている700MHz帯で行い、プリウスからは加減速情報などが発信される。通常のクルーズコントロールと違い、先行車への追随がより精緻となるため「不要な加減速の低減などにより燃費向上や渋滞の緩和につなげることができる」(製品企画本部の葛巻清吾・安全技術企画主査)。

システムは同じ車線を走行する場合のみに作動可能で、ウインカーを出すことなどで作動は解除される。また、通信せずに走行する場合もクルーズコントロールとLTCによって操舵やブレーキ、アクセルの自動操作が行われるため、車車間通信の普及以前でもドラーバーの運転支援ができる。葛巻主査によると、トヨタは約2年前に国の認可を得て、この技術の公道試験を行ってきたという。すでに相当熟成が進んでおり、「2010年代半ば」の商品化をめざす。自動運転技術の公道での同乗デモ公開は世界でも珍しく、ITS会議に出席する内外の関係者から高い関心を集めそうだ。

《池原照雄》

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