デルタ航空、全パイロットにタブレット端末を配布、コックピットのペーパーレス化で燃費改善

航空 企業動向

デルタ航空は、同社のパイロット1万1000人全員に、マイクロソフトのタブレット端末「サーフィス2」を配布すると発表した。

タブレット端末は、航路図や航空機の運航マニュアルなどの書類が入ったフライト・キットに代わる「エレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)」として使用する。年内にボーイング757型機、767型機のパイロットに支給し、2014年末までには全機種のコックピットでペーパーレス化する予定。

サーフィス2は、OSに「Windows RT8.1」を搭載し、パイロットが航路や参考資料、各種チェックリストなど、運航に必要なツールや、最新情報に簡単にアクセスできるよう設計されている。

コックピットをペーパーレス化することで、パイロット1人につき既存のフライト・バッグの重量約17キログラムを減らすことが可能となる。この重量削減により、年間で推定120万ガロンの燃料、二酸化炭素排出量にして2600万ポンドを削減できるとしている。これは乗用車2300台が1年間に排出する二酸化炭素排出量をゼロにするのと同じ効果がある。 

また、今後数年間でエレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)の機能を拡張し、運航管理情報の電子化や気象予報データへのリアルタイム・アクセス、地上にいる整備担当者との直接連絡などを可能にし、運航効率を高める計画。

コストでも、タブレット端末導入による重量削減などにより、年間1300万ドル(約12億8000万円)の燃料と関連コストを削減できるとしている。

同社のフライトオペレーション担当スティーブ・ディクソン上級副社長兼機長は「直感的な操作が可能な端末を支給することにより、パイロットは必要な情報にすぐにアクセスできる。ペーパーレス化により、紙の散乱を防ぎ、飛行情報を探す時間が短縮されるため、パイロットが地上、上空で、より多くの時間を運航状況認識に費やすことができる」としている。

同社は、ボーイング757型機と767型機材でテストを重ねた上で、来年には米国連邦航空局(FAA)から、運航中の全ての過程でタブレット端末を使用できる許可を取得する見込み。その他の機種での使用に関する許可は、2014年中の取得を見込んでいる。

《レスポンス編集部》

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