NSW、電子乗車カードに批判続出

鉄道 行政

料金算出けちくさいと悪評のオパール

 シドニーでは有料道路を電子タグのみにすると、他地域からの利用者や海外からのレンタカー通行車に不便な制度を整備することもできず、電子乗車カードも2000年オリンピックに間に合わせるはずが、ずれ込んだ挙げ句に請け負った企業が破綻し、ようやく13年後に名前もオパールと変えてぼちぼち実用化され始めている。有料トンネルや空港鉄道路線も第三セクター方式が軒並み破綻し、さらには法外な料金で利用者が避けている。メルボルンでは市電がカードのみになり、一度しか訪れることのない旅行者に非常に不便になっている。いずれも利用者の便宜よりも運営者の便宜を優先しているという批判が出るが、改まる様子はない。

 シドニーでは、公共交通機関の計画の混乱で、前労働党州政権が散々批判されていたが、批判していた保守連合が州政権を握ると前政権と変わらないことをやっている。オパールは少数のシドニー・フェリー船着き場や鉄道駅に導入され始めている。しかし、オパールを使うと現在よりも高くなる利用ルートがたくさんあることがメディアで報道されており、利用者はオパールの利用をためらっている。

 バスの乗り換えは、乗車停留所と最終下車停留所との区間で精算徴収されるようになったことは利用者にはありがたいが、フェリー、鉄道、バスを乗り継がなければならない経路ではそれぞれ別個に徴収される。しかも、うっかり、乗車時または下車時にカードをスワイプし忘れると路線の最高料金を徴収されるという落とし穴までついている。州政府のグラディス・ベレジクリアン運輸相は、「週に8回乗ればその週はそれ以上の利用は無料にする」と発表したが、同じ公共交通機関でありながら、輸送手段の違いで個別料金にする理由を大臣は、「バス利用者が、フェリー利用者のコストを負担することは不公平になる」と言い訳している。しかし、バスと鉄道を乗り継いで通勤すると負担増になるため、公共交通機関利用を促すことにはならず、利用者が少なければそれだけ赤字が大きくなる。トニー・アボット連邦政権が、建設期間の長い鉄道への投資よりも、「すぐに使えるようになる21世紀の道路交通網」への投資をうたっているだけに公共交通機関の未来はまだ当分暗い。

 オパール利用のシドニー公共交通機関料金体系は複雑をきわめており、個人個人の利用経路で試算しなければ分からないとのことで、オパールは、「統合切符システムにはなったが、統合料金システムにはなっていない」と揶揄されている。せいぜい、単純な経路の利用では、これまでの紙の切符よりもわずかに安くなる程度になっている。(NP)

《Nichigo Press》

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